霏々

音楽や小説など

2018-01-01から1年間の記事一覧

宮崎由加 卒業発表 ~可愛さと強さ~

先日12/21にJuice=Juiceのリーダーである宮嵜由加さんの卒業が発表されました。 Juice=Juice(以下、J=Jとします)は結成当初から応援してきたグループですし、私のハロヲタ生活の中で結成当初から見てきた一番最初のグループです(モー娘。はもちろん、Berr…

Lilies and Remains ~序章~

Lillies and Remains というバンドがどれだけの人に知られているんでしょうか。 もし現代における注目の度合いを示すステータスの1つとして、YouTubeでの再生回数を基準にさせていただけるなら、「Moralist S.S」が現時点で約22万回、「Develoca」が約12万…

Maison book girl 「夢」レビュー ~夢への憧憬~

Maison book girl の「夢」についてレビューさせていただきます。 www.youtube.com アルバムで聴いていたときから、とても幻想的な楽曲だと思っていましたが、MVの演出を見てさらにその想いが強まりました。 MVの冒頭では、何らかの書類へサインをしています…

バズマザーズ「Goodbye my JAM」 ~諸行無常の響きあり~

バズマザーズ 5thアルバム<ムスカイボリタンテス>より 「Goodbye my JAM」のレビューをさせていただきます。 アルバム<ムスカイボリタンテス>からはこれが最後のレビューになると思います。アルバムの表題曲でもある「ムスカイボリタンテス」と、おまけ…

Maison book girl「狭い物語」レビュー ~変拍子のカタルシス~

Maison book girl 「狭い物語」のレビューをさせていただきます。 www.youtube.com Maison book girl(以下、ブクガ)と言えば、変拍子。ミニマル音楽の泰斗、スティーヴ・ライヒを尊敬するという作曲家のサクライケンタさんがプロデュースするアイドル(?…

バズマザーズ「恋のデーデン」レビュー ~「デーデン」と言ったらこの曲だよね~

バズマザーズ 5thアルバム<ムスカイボリタンテス> 「恋のデーデン」のレビューをさせていただきます。 こちらの楽曲、楽曲の中ではコミックソング的な立ち位置となっております。バズマザーズのコミックソングと言えば、私は1stの「さよなら三角またきて四…

ライ麦畑の風 vol. 1

ライ麦畑の風 ライ麦畑の色をした秋の風が私たちの隙間を通り過ぎて行く。私たちはみな紺色の制服を着て、奈良公園にまだら模様を描いていた。遠目から俯瞰して見ると、雨の日の車の窓ガラスに張りつく大小の水滴のようにも見える。 私を含めた多くの同級生…

ライ麦畑の風 vol. 2

トイレから出るともう絵具の匂いはなくなっていた。今ではそれが本当にこの世界に存在していた匂いなのかわからない。どこからどこまでが本当に存在しているもので、どこからどこまでが、ただ私が感じているように錯覚しているものなのだろう。デカルトなら…

ライ麦畑の風 vol. 3

「ありがとう」進藤さんはまず私にそう言った。「ううん」とだけ私は答える。 上原先生は言葉を失っていた。彼はもはや先生という役割を抜け出したところにいるみたいだった。ひどく怯えた一人の青年のように見えた。 私は静かにその場を後にして、もと来た…

ライ麦畑の風 vol. 4

水奈が手を振り去っていく。彼女が道の角を曲がって姿が見えなくなったとき、私の後ろにはそっと上原先生が立っていた。 「ありがとう。ここまで連れて来てくれて助かりました」上原先生は赤くなった目をいつものように細めて言った。私は「いえ」とだけ答え…

梁川奈々美 卒業発表 ~やなみんがもたらした可能性~

昨日、11月2日に梁川奈々美さんの、来年3月での卒業が発表されました。 個人的にはめちゃくちゃショックで仕方ありません。 Juice=Juiceは宮本佳林さんを中心に私としては箱推しの態勢でしたが、ハロプロの中でも唯一全楽曲を網羅しているグループです(まぁ…

バズマザーズ「ペダラーダモンキー」レビュー ~リーガ・エスパニョーラのファンタジスタ~

バズマザーズ 5thアルバム<ムスカイボリタンテス>より 「ペダラーダモンキー」のレビューをさせていただきます。 前回の「不幸中毒の女」のレビューから少し時間が空いてしまいました。先週は飲み会に次ぐ飲み会で、それこそ「不幸中毒の女」がX JAPANの「…

モーニング娘。'18「Y字路の途中」レビュー ~飯窪春奈 卒業~

モーニング娘。'18 「Y字路の途中」MVのレビューをさせていただきたいと思います。 www.youtube.com この楽曲はわかりやすく、はるなんの卒業ソングとなっていますね。 <公式HPでの卒業メッセージ> www.up-fc.jp モーニング娘。は卒業・加入を繰り返して歴…

バズマザーズ「不幸中毒の女」レビュー ~寂れた港町の寂れたスナックにて~

バズマザーズ 5thアルバム <ムスカイボリタンテス>より 「不幸中毒の女」のレビューをさせていただきたいと思います。 ビックリするくらいのジャズ&歌謡曲テイストたっぷりから始まるこの楽曲。アルバムの曲順的にも「仮想現実のマリア」から繋がるので、…

ハロプロ新グループ名決定! ~「CHICA#TETSU」・「雨ノ森 川海」・「BEYOOOOONDS」~

ハロプロ新グループの名前が公開されましたね~ www.youtube.com 動画の評価が、Good×1.7 = Badなのがアレですが笑。 私はなかなか面白いと思います。 「モーニング娘。」も「Berryz工房」もたいがいですし、奇をてらったグループ名としては良いんじゃないで…

バズマザーズ「変身」レビュー ~フランツ・カフカも驚きのワードセンス~

バズマザーズ 5thアルバム <ムスカイボリタンテス>より 「変身」のレビューをさせていただきたいと思います。 今回の「変身」という楽曲はMVが公開されていないほか、歌詞もまたCD付属の歌詞カードでしか見ることができません。色々考えましたが、これまで…

バズマザーズ「敗北代理人」レビュー ~「敗北代理人」の正体~

バズマザーズ 5thアルバム <ムスカイボリタンテス>より 「敗北代理人」のレビューをさせていただきたいと思います。 www.youtube.com 前回の「仮想現実のマリア」では張り切り過ぎてしまったため、今回はできるだけシンプルを目指します! というわけで、…

バズマザーズ「仮想現実のマリア」レビュー ~真実の愛を求めて~

バズマザーズ 5thアルバム <ムスカイボリタンテス>より 「仮想現実のマリア」のレビューをさせていただきたいと思います。 www.youtube.com さて、3つ目のレビューになります。 これまでの2つはアイドル楽曲でしたが、今回はバズマザーズという邦楽ロック…

モーニング娘。'18「自由な国だから」レビュー ~前衛的な楽曲構成(つんく♂×大久保薫)~

これもまた、昨日MVが公開となったモーニング娘。'18の新曲 「自由な国だから」の感想を書きます。 1つ前に書いた、 アンジュルム「46億年LOVE」レビュー ~赤羽橋ファンク(非つんく♂楽曲)~ - 霏々 のレビューでは、初めてということもあり、張り切り過…

アンジュルム「46億年LOVE」レビュー ~赤羽橋ファンク(非つんく♂楽曲)~

昨日、MVが公開されたアンジュルムの「46憶年LOVE」の感想を(初めての音楽レビューになります)。 www.youtube.com 【ざっと感想】 イントロからサビまで全てがキャッチ―で、間違いなく良曲! およそ誰が聞いても、一発で好きになれる曲だと思います。 ファ…

霏々 vol.9

けれども、いくらか面白いことも発見した。 たとえば、散歩は楽しいし、虚無を思えばこそ、色々な無意味が感動に繋がることも往々にしてある。例えば、アスファルトの上で揺らめく逃げ水を見て、小さい頃の僕は無感動を覚えた。なぜなら、それが何の意味もな…

霏々 vol.8

一つ目は、死んだ方が良いのに、僕が生きている理由だ。それについては、いくらか前に、「僕は死のドアの前にずっと座り続けていたものの、結局のところそれが開くことはなかった」というような話をした。僕は死を疎んでいる訳でも、嫌っている訳でもないが…

霏々 vol.7

そう言えば、今まで黙っていたが、僕はアイドルというものが好きで、それこそ色々なアイドルのインタビューやらブログやらをチェックするのが一つの大事な趣味になっている。彼女たちは僕とは違って、あくまで現実の中で夢を生み出そうとしている。そして、…

霏々 vol.6

責任転嫁は僕の実生活における最大の武器であるが、僕の思想から言ってしまえば厳密な意味での責任転嫁というものは存在し得ない。なぜなら、僕が何かの責任を転嫁しようと思っても、その全ての矛先は「地球温暖化」などではなく、先より言い続けている「虚…

霏々 vol.5

さて、話が長くなってしまった。今さらそんな謝罪めいた言葉を零してみても何の意味もないとわかっているが、どうも僕は喋り出したら止まらない性分のようだ(もちろん、そのことを知らなかったわけではない。ただ、過失的な雰囲気を演出して許しを請いたい…

霏々 vol.4

なぜ、僕は面倒臭がり屋なのか。それを説明するにはおそらく二方向からのやり方がある。そして、困ったことにその二つは今のところ、僕の中で一点に収束してはいない。それぞれ別のところに到達する予定となっている。故に、僕はその二方向のうちどちらかを…

霏々 vol.3

今朝、懐かしい夢を見た。バスを乗り間違えたせいで見知らぬ郊外の方に出てしまう。山間の小さな住宅地。夕暮れ色のインクを垂らされた薄暗い道と芳しい草の香り。ぼんやりと僕の肌を包み込む生温い空気感が、古い記憶を呼び起こさせた。そう言えば、前にも…

霏々 vol.2

よくよく考えてみれば、僕の人生はまさにその森の歌の示唆と暗示によって、開封済みにされた電子メールの如き代物であった。何度も過去に何かを忘れては、それを取りに行って、そしてまた何か別のものを忘れてくる。滑稽だと捉えていただければ幸い、しかし…

霏々 vol.1

霏々 出発地点はなんの変哲もないアスファルトの上の逃げ水。僕は自転車に跨って、視界の先に見える判然としない寝起きの意識みたいなそれを見ていた。その時に抱いていた感情を当時の僕は「無感情」という風に名付けていたと記憶しているが、いま思えばそれ…

このブログの仕様

もともと学生のときは小説家になりたいと思っていました。 けれども、どうも自分には売れるような小説も書けないし、食べていくための手段として小説を書こうという気概も持てませんでした。 自分の書いたものがいったい何なのかということを考えると、基本…