やっと行けました。「1-LINE」。なかなか日程が合わなかったり、チケットが取れなかったりで困っていたのですが、何とか私の対応範囲である仙台にて最新=最強のJuice=Juiceを観ることができました。
前日の飲み会を早めに切り上げて体調は万全。コーヒーを水筒に作り、村上春樹の小説をリュックに忍ばせ、新幹線に乗り込みました。
1.前書き ※Juice=Juiceの話はほぼなし
ここ最近はbetcover!!というバンドにハマったこともあって、映画「花腐し」や久保田早紀などちょっと古めかしい雰囲気の諸々に心を惹かれるお年頃となりました。新幹線の吹き飛ぶ車窓を見るともなく眺めながら、「異邦人」なんかを聴いていると不思議と遠くへ旅をしているような気持ちになります。そんなちょっとおセンチな御心を抱えつつ、はてさてどんなライブになるのやら、と頭の中は結構現金で、「相も変わらずJuice=Juiceの評判が良い」という感じなのでとても楽しみでした。
前日の飲み会では、仙台で大学生活を送っていた高校の同級生と会っていたので、何軒かオススメのお店を教えてもらい、駅からは遠かったのですが、そこまで足を伸ばしてきました。「めちゃくちゃ美味くてオススメってわけじゃないけど、朝までやってるラーメン屋があってさ」と、教えてもらったお店。わかる、わかるよ。どこの大学の近くにも何故かそういうラーメン屋があるんだよな。美味いってわけじゃないけど、飲んだ後とかに行くんだよな。で、美味いんだよな。当然、私は行ったことのないお店。でも、何故か懐かしく、思い出深く、胃袋に染みる長浜ラーメン。「仙台で長浜ラーメンってどうなのよ」みたいなことは今さら考えません。無料のトッピングで、にんにくと高菜を盛り付け、最後に雑炊用の白飯を頼みました。ここ最近は食事制限をしているので、久しぶりの胃袋の豪遊。あぁ、美味かった。
絶妙に時間が余ったので、1時間ほど一人カラオケ。先日、別のライブで仙台の美術館は行ったし、あんまり行きたいところも、時間もないしな。逆にこういうときじゃなきゃ、もうカラオケなんて行かないしな。ハヌマーンの入っているJOY SOUNDを選び、離婚伝説やyonawoでゆるりとやりながらも、結局は「しょうがない夢追い人」とか「泣いちゃうかも」とか「情熱のキスを一つ」を入れてしまう。プラチナ期は意外と高橋愛ちゃんのキーに合わせて作られているので、男でもギリ歌える。点数は劣等生でしたが、頑張って高い声を出していると「歌っている感」があって楽しいですね。
そんなこんなで電車に乗って、榴ヶ岡駅へ。
私は家に物が増えるのがあまり得意ではないので、基本的にはグッズを買わないのですが、先日のフットボールアワーの岩尾さんのFSK紹介の配信を見てから、なんだかFSKが欲しくなり……結局、青い衣装の里愛ちゃんを買ってしまいました。やばい……可愛すぎる。むふふ、と零れ落ちそうな笑みを何とか噛み潰し、会場の3階へ。
3階通路の前側、最後列でしたが思ったよりも近い感じ。比較的正面に近い場所でしたので、ステージがよく見下ろせました。「もっとハロプロを楽しもう!」とみいみに促されつつ、持参した本を読みながら時間を潰し、そしてアナウンス。コールが鳴り出し、いよいよコンサートが始まります。
2.ライブの感想 ※ごめんなさい、ほぼ里愛ちゃんしか観てませんでした。
※セトリのネタバレありますので。
私は一応、Juice=Juiceの箱推しなので、できるだけ万遍なくステージを観たいと思っているのですが、なんか今回は里愛ちゃんをじっくり観ようかなという気分になりました。Juice=Juiceの中では、いや現ハロプロの中では、里愛ちゃんが1推しなのでずっとそうすべきではあったのですが、「せっかく全員を観られるんだから」という先入観でこれまでずっと全体を万遍なく観てきました。それはそれでとても有意義な時間ではあったのですが、結局、「歌ってる人を追っているだけだとライブ映像を観ているのと変わんないよな」という気がして、今日は思い切って里愛ちゃんにフォーカスすることを決心しました。そして、その選択はもう正解と言わざるを得ませんでした。
なんて言えばいいのでしょう。サトウのごはんに、最高級たまごをかけて食べているみたいな……いや、ちょっと違うか。色んなブランドの服から好きなものを組み合わせて着て良いと言われているのに、あえて1ブランドだけで硬派にコーディネートする、みたいな。そういう背徳感というか、「うわぁ、すっげぇ贅沢してんな」感がありましたね。でも、そういう捻くれた楽しみ方だけでなく、単純に里愛ちゃんのパフォーマンスを観ているのはとても楽しかったです。とても有意義でありました。
※ここから、というか引き続き、もはや里愛ちゃんに関することがほとんどすべてになります。
とは言え、まずは登場シーンから。
一人ひとりがメンバーカラーのライトとともに、ポーズを決めて登場。割と暗めの証明だったので表情を伺うまでは出来ませんでしたが、とにかくシルエットが美・美・美。良い感じの小さなロッジの木製ドアを開けたら、中には色とりどりの無数の花々が咲いていた。みたいな、感動がありましたね。はぁーん!って感じです。中でも妃咲ちゃんの少し伸びた髪を巻き巻きした大人っぽさに撃ち抜かれました。なんてゴージャス。
せっかく妃咲ちゃんの話が出たので、全体を通して、妃咲ちゃんの印象ですが……歌、上手くなり過ぎじゃないですか?
もちろんみんな凄くパフォーマンスレベルが向上してはいますが(さくりんごとかもエグイ成長をしていましたが)、妃咲ちゃんはちょっと1つ別次元に到達しましたね。もう何年も前ですが、terzo辺りでは結構歌が固い印象があり、そこから徐々に上達していったのは知ってはいるものの、それでもまだどこかに固い芯のようなものが残っている感じがあったように思います。それが今回、少なくとも現場で聴いた感じでは全くなくなっていました。特徴であるハスキーボイスを存分に活かし、めちゃくちゃ柔らかく歌われていました。あーりー、るるちゃん、れいれい辺りに匹敵する貫禄さえ感じました。張り上げる系のパートもかなり圧力高めに声を出せていたので、そこも成長したところではあると思いますが、やはりあの柔らかさ。大人びたビジュアルも含め、ちょっとハロプロ・エース感が出て来ましたね。
さて、里愛ちゃん、里愛ちゃん。
まず衣装ですけれど、1ポーズ目は黒を基調としたエレガントな雰囲気。人によっては黒い手袋をしていたり、長めのスカートを穿いていたり、すごいドレッシーな感じって言うんですかね。ただ有難いのは、里愛ちゃんには手袋をはめさせず、長いスカートではあるけれど透け感のある素材を選んでくれたということです。順序が逆転しますが、まずはスカートについて。里愛ちゃんよりも重めのスカートを穿いていた子もいたと思うのですが、里愛ちゃんに関してはあれくらい透け感があって、軽めのスカートが絶対に良い。里愛ちゃんのパフォーマンスは優雅と言うには少しスピードがあり過ぎて、激烈・スポーティと言うにはちょっとクール過ぎる。その絶妙な塩梅を取ったとき、あの華麗さを演出するためのロングではありながらも、どこか羽飾りのような軽快さを感じさせる透け感はすごい丁度良かったです。あ、もちろん、スカートとは言っても、中にはショートパンツを穿いていて、後面だけに靡くようなタイプのスカートです。こういうのなんて言うんでしょう。すみません、服には疎くて。
んで、手袋が無いのも有難かった。黒の手袋も間違いなく似合うとは思うのですが、里愛ちゃんのパフォーマンスは本当に指先まで美しい。黒い手袋をはめていると、遠くからでは指先まで上手く見えず……なので、里愛ちゃんの手袋無しの指先が本当に綺麗に見えたのが何よりも嬉しかったですね。2曲目の『Borderline』のサビ終わりだったような気がするのですが、ハーフテンポになる辺りだったか(たぶん違うかな。ごめんなさい、ちゃんと覚えておらず)で指が1本ずつ折りたたまれている様さえ綺麗に見えてすごい感動しました。
そして、3曲目の『トウキョウ・ブラー』。MVの感想も記事にしましたが、もうこれは里愛ちゃんの曲と言っても過言ではないですよね。
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出だしのソロからもうカッコイイんですが、何と言っても間奏明け、瑠々ちゃんのCメロから里愛ちゃんのキメキメの落ちサビのところ。というか、生でパフォーマンスを観てゾクゾク来たのが、落ちサビを歌う直前の里愛ちゃんの現れ方。瑠々ちゃんがピンスポで柔らかく優しく囁くように歌っているその背後……「一番星を目指す」の「す」が発声されると同時に、くるくると2回転して、まるで蝶のように華麗に現れ、瑠々ちゃんが空け渡したスポットライトに飛び込んでくる里愛ちゃん。うわぁぁぁあぁぁぁ、ってなったよ。うん。凄かったです。カッコイイ!!!
なんかこういう言い方をすると変態みたいなんですけど、里愛ちゃんを見ていると、自分の中に乙女なところがあったんだと気づかされるんですよね。自分が女の子で、女子校に通ってて、気さくだけれどどこか超人的なところのあるカッコイイ先輩に、きゅんきゅんしてしまうような、そんな感じになります。いや、能力が異常に高くて奔放な後輩かもな。でも、なんか乙女がカッコイイ同性に憧れるような、そんな気持ちになるんですよね。
そして『トウキョウ・ブラー』に今一度戻りますけれど、もちろん落ちサビは外さない。完の璧。フェイクも最強にお洒落でした。ただ熱いだけじゃない、音楽を磨き上げるようなそんな素敵なフェイクです。あぁ、それにしてもこの曲、好きだな。
3曲目の『トウキョウ・ブラー』が終わってからは、いつもの通り、名前だけの自己紹介がありましたが、いつも里愛ちゃんってすごいクールに自分の名前を言うんですよね。由愛ちゃんとかりさちとかは結構アイドルらしく、きゅるきゅるした感じで自己紹介するんですが、里愛ちゃんは凄いしっとりと落ち着いた声で自己紹介します。それがなんかいじらしくていいですよね。そして、別にそれを真似しているわけじゃないと思うんですけれど、意外と妃咲ちゃんも里愛ちゃんっぽい落ち着いた感じの御挨拶でした。いつもこんな感じでしたっけ。ちょっと覚えていないんですが、自分的には意外だったので記憶に残っています。
みっぷるからも「戻ってきました」的な一言があり、会場全体が「みっぷる……うぅ……よかったね……」と涙を堪える一幕もございました。
そう言えば肝心の1曲目に触れていませんでしたが、1曲目は『わた抱き』で結構上げ目の感じでライブが進むのかと最初は思っていました。が、2曲目の『Borderline』から少しクールな感じの雰囲気が滲み出し、そこから『トウキョウ・ブラー』。MC明けの4曲目は『プララブ』ですから、かなり都会的でお洒落な感じの曲目ですよね。あ、っとちょっと申し訳ないですけど、もう1回宣伝しちゃいますね。
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『トウキョウ・ブラー』と『プララブ』の親和性、というか関連性について上の記事で言及しています。そして、5曲目の『好きって言ってよ』は一旦飛ばして、6曲目の『TOKYOグライダー』についても同記事内で引き合いに出しているので、ぜひ、よろしければ。5曲目の『好きって言ってよ』も『トウキョウ・ブラー』と同じく山崎あおいさん楽曲で、Juice=Juiceの中では1番好きな楽曲なので、この辺のセトリは個人的にかなりグッと来ました。うんうん、自分でもそうするわぁ。
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7曲目は『おあいこ』で、これもお洒落な楽曲ですね。休符の位置で差し込まれる吐息とかはもしかしたらトラックを流すのかな、と思っていましたが、ちゃんと歌っていてそれが凄いグッときました。また宣伝で申し訳ないですけど、『おあいこ』のレビューは個人的に結構よく書けていると思うので、反論等あるかもしれませんが、1つのアイディアとして読んでいただけるととても嬉しいです。
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ライブではあーりーを中心に据えて、メンバーが左右に分かれて花道を作るようなフォーメーションが凄い感動的でした。ラストの瑠々ちゃんのソロも、なんかJuice=Juiceを引き継いでいくみたいな魂を感じてグッときました。
由愛ちゃん、妃咲ちゃん、りさち、いちか氏、みっぷるのふわふわしたMCの後は、8曲目『香水』。あーりー、瑠々ちゃん、れいれいの三神で。めちゃくちゃハモるし、しかもハモりのパートもどんどん入れ替わっていくし、Juice=Juiceの現有戦力で考え得る最強の布陣で披露された本楽曲は、ちょっと別格でしたね。こういうのやられると、TRIANGROOOVEの『メロディーズ』を思い出しますね。ただ、あの頃は金朋とあーりーが主旋律を歌い、さゆきがハイスペック便利屋でどんな歌にもハモりを合わせていくっていう構成だったので、そこからの進化も感じます。何よりも、あーりーがハモりながらも、音楽を魅せる上で重要な役割を担っているのが感慨深いです。本当に素敵な時間でした。
【追記】
衣装の2ポーズ目について書くのを忘れていました。ので、ちょっと無理やり挿入します。
MCを挟んで『香水』から今度はかなり可愛らしい衣装になりました。バーバリーチェックっぽい柄だったんですが、こちらも里愛ちゃんを中心に見させていただきました。やや曖昧な記憶になりますが、今度はミニスカートになった里愛ちゃん。上半身は確か手首くらいまであるお洋服だったのですが、里愛ちゃんだけ白いノースリーブパーカーを着ていましたね。これがまたお洒落な感じでした。さくらちとか(記憶が曖昧で……違う子だったらすみません)はバーバーリーチェックに黒っぽいニュアンスのシャツを着ていたような気がするのですが、一番クールな里愛ちゃんがポップな白いパーカーってのがギャップ萌えってやつなんでしょうか。2着目を身に纏っての前半は、パーカーの前を空けて、ルーズに着こなしていましたが、後半のさくらちが煽っている間にチャックを上げてぴっちりとした着こなしに。衣装でも遊びを見せてくれる里愛ちゃんが愛おしくて仕方ないです。
里愛ちゃん以外で言うと、たしかりさちのソックスがフリフリの付いているやつだったかなと思うのですが、それが当然の如くキュートでした。前半戦のようなクールな衣装も似合いますけれど、みんなチェック柄の可愛い衣装もしっかり似合っていました。が、やることは変わらない。どこまでもスマートで、エレガントで、そして情熱的なパフォーマンスを魅せてくれます。んん、スタイルがみんな良いからなぁ。何を着ても絵になりますよね。さて、「追記」もこの辺で。あ、アンコールの3ポーズ目はあえて触れないでおきます。お楽しみということで取っておきましょう。
9曲目の『銀テレ』も素敵な演出でした。ステージの2階に腰掛け、脚を投げ下ろしたところがディスプレイになっているので、そこにメンバーカラーの星屑のようなものが映し出されている感じでした。1番は全員で横一列、まさに1-LINEになって座りながらのパフォーマンスでとても夢見心地でした。2番からはダンスも織り交ぜて。柔らかいダンスでも里愛ちゃんは素敵でした。繊細。そして可愛い。
10曲目は『FUNKY FLUSHIN'』、11曲目は『KEEP ON 上昇志向!!』とノリノリな感じへと。華麗で流麗でキメキメの里愛ちゃんだけでなく、元気でノリの良い、イケイケな里愛ちゃんが観られるのが嬉しいですね。里愛ちゃんってずっと追ってると、本当にかなりハードに踊っているんですよ。もうこっちの息が上がっちゃうくらい。止め、跳ね、払いがかなり洗練されていると言いますか。イメージで言うと、まなかんとかみたいに、ゴリゴリに踊っているわけではないんですけど、最近の佳林ちゃんの先鋭化されたダンスとまなかんの中間くらいの感じですかね。観ていて美しいけれど、きちんと力強さと、音楽に対するグルーヴがある感じ。でも、終始そういう感じなんで、いったいどこで休んでいるんだろうと思うんですけど、意外とこういうノリの良い曲だと脱力が上手いのがわかってきます。
例えば、手を下ろす振りがあると、力を入れて手を下ろすのではなく、ある所からは力を抜いて、重力と慣性に任せて腕ごと下ろす……みたいな感じがすごく上手(手を下ろす振りが上手、とはこれ如何に。なんつって)。まぁ、冗談はさておき。そんな感じで、基本的にはパキパキ、ビシバシ踊る里愛ちゃんなんですが、力を抜くところも魅せ方とシルエットが美しいので、それすら演出になる感じがありますね。
あと、いい意味で無駄な動きが多いんですよ。無駄、ってのはちょっと表現が悪いですね。要は、他の子がしない動きを本当に細かく入れているんです。まず普通に観ていて思うのが、ターンの多さ。とにかく回る、回る、回る。くるくるくるくるくる……夢想花かってくらい。里愛ちゃんが尊敬する、そして幾人ものヲタクが指摘するように、そのパフォーマンスのDNAを引き継いでいると言われている佐藤のまーちゃんにも匹敵する回り具合。そして、まーちゃんと言えば、自分が歌う直前のマイクくるりんぱ。これ、里愛ちゃんもよくやっているんですよね。まじでカッコイイ。くるくる、っとマイクも回しちゃう。これで音を取ってるんだろうな、って感じ。
それから今回は1-LINEというツアータイトルにもある通り、横一列を綺麗に作ることを意識しているそうですが、1回横一列を綺麗に揃えた後で、フリーになったときに里愛ちゃんは前に出たり、後ろに下がったりをフィーリングでやりまくるんですよ。それがステージ上に立体感を作っていて、特に3階席のような上から観ていると本当に楽しいんです。もちろん1列に揃っているときも、例えば℃-uteを観ていたときのような綺麗な「揃ってる感」があっていいんですが、それ一辺倒でも飽きてしまうので、要所要所で里愛ちゃんがバランスよくそれを崩してくれるので、それがとても心地いい。ちょっと度の曲か忘れてしまいましたが、割と自由が利く曲の中で、自分のパートを歌いながら客席に凄い近寄ったり、そういう臨機応変さみたいなものも見せてくれるので、観ていて飽きません。
あとは、背中を見せることも多い印象がありました。アイドルなんだから顔を見せるべきというのも1つの考え方ではあると思いますが、あえて背中を見せて、ラインから下がり、そして後ろ向きのまままたラインに合流して、そしてくるっと回って、正面に向かってポーズ。こんなこともできちゃうですねぇ。どの曲か忘れましたけど。
あとあと、確か終盤の『ひとそれ』だったと思うんですけど、曲終わりでみんなポーズをキメるじゃないですか。そこでみんな1回ポーズ取ったらそこで終わりだと思うんですけど、里愛ちゃんだけ2ポーズキメてたんですよ。ヤバくないですか。ヤバいですよね。そんなことしていいんだ、っていうかできるんだ、みたいな。
なんていうか、ずっと里愛ちゃんを追っているとそういう発見が沢山あるんですよ。それに1つひとつを言葉にはできないんですけれど、「あぁ、そこのダンスってそういうニュアンスだったのね」みたいな気付きを得らえることが本当に多いです。いつだったか、なんだったかで由愛ちゃんも、「里愛と歌っていると、歌い方がわかる(意訳)」というようなことを言っていたと思いますが、まさにそんな感じで。これもどの曲だったか忘れちゃったんですけど、あかりんごと里愛ちゃんが並んで踊ってるところで、たぶん今まで普通にバックステップを踏んでいるところだったと思うんですけど、結構しっかり目に後ろにジャンプしてリズムを取っていて(2人とも)、「そこって、そういうフリなんだ」と思った記憶がありますね。私の認識不足で元からそういうフリだったのかもしれないのですが、きちんとあかりんごと2人で合わせながら、カッコ良く見せているのが印象的でした。
他にも悪目立ちしない程度に、ダンスにアレンジを加えてくれるので、観ていて本当に飽きないです。歌って踊るってことは、こんなにも自己表現に溢れていて、それでいて楽曲に対して愛を表明する行為なんだということが里愛ちゃんを観ていると伝わってきます。
セトリに話を戻すと、11曲目の『KEEP ON~』が終わると、もう既に恒例となっているさくらちの雑無茶振りコール&レスポンスがあって、会場が異様な熱気と笑いに包まれ、12曲目は新曲の『ナイモノラブ』。この曲は間奏がめちゃくちゃカッコイイ。ライティングも激しい明滅で、ヲタクたちもハーフテンポに合わせて「オイ!」「オイ!」と叫んでいるのがとても楽しかったです。直前のさくらちの煽りの効果もありましたね。ここも里愛ちゃんのダンスがセンス爆発していてカッコ良かったです。
13曲目はみんな大好き『プライド・ブライト』。出だしの瑠々ちゃんは言わずもがな、やっぱり妃咲ちゃんのクオリティが爆上がりしていてめちゃくちゃ盛り上がりました。間奏始まってすぐの、あの隊列を組んで歩いて来るところ、やっぱり生で観るとゾクゾクしますね。Juice=Juiceカッコ良すぎ。あの強さ、そうそう出せるもんじゃない。そして里愛ちゃんの落ちサビは今回もバッチリでした。
14曲目は『Fiesta Fista』。これはもう盛り上がること間違いなし。相も変わらず情熱を解き放ち続ける瑠々ちゃんが素敵過ぎです。15曲目の『CHOICE&CHANCE』ではれいれいのボイパを堪能できました。里愛ちゃんの「グッバイ♪」も聴けたし、大満足です。あとは由愛ちゃんの「やっちまった後悔がしたい」もいつも通り、空間を切り裂いていました。うーん、最高。16曲目は『ひとそれ』。これも外せない楽曲になりましたね。落ちサビの里愛ちゃんにも磨きがかかっていました。しっとりと哀を込めて歌うとちょっと重すぎるし、かと言ってアンニュイになり過ぎても落ちサビとして力が乗らない。そのいい塩梅の、音として発声の力強さは損なうことなく、それでもクールにアンニュイに憂鬱で気怠く、そこのニュアンスをしっかりと表現できるようになっています。里愛ちゃんはさぁ、歌もいいんだぁ。
17曲目は『ガルビー』。由愛ちゃんのアレンジが昔とは全然変わっていて、かなり台詞っぽい感じになっていて可愛かったなぁ。あと、れいれいが仙台向けに何かを言ってくれていたと思うんですが、マイクの音量が絞られていて、何て言っていたか全然聴こえなかったのが残念でした(笑)。それからそれから!みっぷるのパートあるじゃないですか!いつからでしたっけ?なんか「お休みしてたから、みっぷるのパートはまだ作られてないんじゃない?」みたいなことをどこかで聞いたような気がしたんですが。いやぁ、嬉しいなぁ。『ガルビー』で自分のパートを貰えるって、それでようやくJuice=Juiceのメンバーとして迎えられた感がありますよね。第2の洗礼というか。
そして、ラスト18曲目は『ロマンスの途中』。オケは10周年バージョンの方でしたかね。この曲って、あんまり、こう歌を全面に押し出す楽曲ではないというか。めちゃくちゃオケの質が高くて強いんですよね。なので、この曲ばかりはもはや歌を聴くというよりは、音楽にノって楽しませていただきました。間奏の里愛ちゃんだけベースの振りも観られたし、とにかく楽しく踊らせていただきました。
そしてアンコール1曲目は、あーりーと由愛ちゃんによる『愛のダイビング』。由愛ちゃんがこの曲が本当に好きみたいで。そして、あーりーの『言葉は愛の中でまだ躊躇』のパートがめちゃくちゃお気に入りみたいです。今回のツアーでそこが聞けないことが悲しくて、それで今回のデュエットパフォーマンスでこの曲を選んだみたいでした。いやぁ、愛が感じられて素晴らしいですね。
最後のMCでは「母の日」にちなんで、色々なメンバーが家族への愛を伝えていました。瑠々ちゃんに至ってはちょっと涙ぐんでいましたね。いやぁ、みんないい子やぁ。里愛ちゃんのMCでは、楽屋で歌の練習をしているあーりーに対して、由愛ちゃんが「なかなかいいね」と言っているのを見てびっくりしたと暴露をしていましたね。加入当初からすごい礼儀正しい子だったから、そうとう懐いているんだなぁと思ったそうです。
そんでもって本当のラストは『Magic of Love』。これはもう言うまでもないですね。やっぱり瑠々ちゃんは凄いってことで。あと、里愛ちゃんがあかりんごの立ち位置に食い込んでしまって、片手で「すまん」と謝っているのが可愛かったです。
と、後半はかなり駆け足になりましたが、だいぶ長くなったのでこれくらいにしておこうと思います。
3.総観
まぁ、里愛ちゃんをずっと見ていたわけですが、Juice=Juice全体について。
まずはみっぷるについて。一部の楽曲でのみのパフォーマンスでしたが、とても堂々とパフォーマンスしていました。が、もしかしたらまだ本調子じゃないのかもな、という雰囲気も見受けられました。いや、単純にほかのメンバーのレベルが高過ぎるのか。さくりんごも本当に歌、ダンスともに上手になっていて、あれだけ秘蔵っ子扱いされていたみっぷるに対しても、きちんと先輩としての格の違いを見せつけていたと思います。こんな風に書くとみっぷるがまだまだという風に誤解されそうですが、でも実際みっぷる的にはまだまだやれるって感じがあるんじゃないでしょうか。少なくともステージ上では堂々としていましたし、これからどんどん素敵なアイドルになっていく予感をビシビシと感じさせてくれる素敵なパフォーマンスでした。
3flowerに関しては、まず最初に書いたように妃咲ちゃんのパフォーマンスがえらい上達しています。そして、いちか氏はダンスが結構目を引きました。歌は相変わらずセンスがいいものの、まだまだむらっけがある感じで、さらっと歌う方がよりセンスの良さを感じます。力を込めるところは、まだまだパワーを制御しきれていない感じがあるってところでしょうか。制御しきれないほどのパワーを秘めているというのが、これからも楽しみなところです。対して、りさちはめちゃくちゃ安定していて、それでも着実に実力を伸ばしている感じでした。うわぁ、めっちゃJuice=Juiceじゃん。って思うくらい、歌もダンスも上手。それでいて、ビジュアルも良い。完璧人間でした。愛嬌も誰よりもあるしね。
ゆめりあいはいつも通りですが、由愛ちゃんは強みの発声を活かしてキラーパートを悉く沈めていましたし、それでいて苦手としていた安定感も手にしつつあります。対して、里愛ちゃんは相変わらずピッチもリズムも良いうえに、苦手だった発声も良くなり、確実に場を盛り上げてくれます。ラストの『Magic of Love』だったかな?で、2人で手でハートを作っているのは、とても尊いものを観られました。
れいれいは本当にJuice=Juiceを支えてくれています。与えられたパートは絶対に外さないし、何ターンかに1回れいれいを経由することで、歌がダレないって感じがします。それと意外と声が特徴的なんですよね。だから、今のJuice=Juiceの歌声やハーモニーって、れいれいの音だという気がしています。terzoのアルバムレビューでも書きましたが、音源で聴くとなおさら顕著で、本当に良い声を持っているな、と。あと、顔が綺麗ってのは言うまでもないこととして、MCでも意外と熱い面を見せてくれるので、精神的支柱にもなっているのかなと思っています。改めて、Juice=Juiceに来てくれてありがとう、って気持ちでいっぱいです。
そして、瑠々ちゃん。もうね、改めてあんた歌が上手すぎよ。もう言われ過ぎて、「はいはい、そうですか」って感じかもしれませんが、本当に上手い。れいれいが底から支えているとすれば、瑠々ちゃんは引っ張り上げてくれているような感じ。瑠々ちゃんの誕生日に里愛ちゃんがブログで、永遠のライバル宣言のようなものをしていましたが、里愛ちゃんが憧れ、悔しがるのもわかる。こりゃあちょっと上手すぎだ。
んで、最後はあーりー。本当に上手くなった。歌もダンスも。特に歌なんかは、もうJuice=Juiceになくてはならない存在ですもんね。あの慈悲に満ち溢れた、澄み渡る歌声がもうJuice=Juiceとしては聴けなくなるのだと思うと、本当に悲しいです。どうかJuice=Juiceを卒業したあとも歌い続けてくれますように。
というわけで、メンバー全員に簡単に触れたので、もう一つ、ダンスについて。Juice=Juiceはオリメンの頃から、歌は強いけど、ダンスはあんま揃ってないかな、みたいな評価をされることが多かったと思います。でも、今回のツアーでは、というかもしかしたら仙台で私が観た席が3階だったということがあるのかもしれませんが、本当にダンスが美しかったです。めちゃくちゃ揃ってました。℃-uteなんかは腕の上げる角度まで揃っているからこそ、そのシンクロ率が異常に高くて美しいという印象でしたが、今のJuice=Juiceはそことはちょっとベクトルが違うかもしれないです。そもそも同じ振付を皆で踊るというタイミングがそこまで多くなく、どちらかと言えば、フリーな部分が多かったり、メンバーによって異なる振りを付けられていることが多かったりする印象です。ですが、なんか揃ってる感があるんですよね。今回は1-LINEと名を打っている通り、横一列を綺麗に見せることに集中していたみたいですが、その成果が良く表れていました。ただ、それだけに終始するのではなく、個々のダンスに特徴があり、特に里愛ちゃんなんかは一度揃ったラインをあえて崩して、また有機的なグルーヴを魅せてくれたりもします。そういう意味で、とにかく観ていて楽しい、聴いていて心地いい、素晴らしいグループになってきているな、という感じでした。
さて、最後にリーダーの継承について。ラストの『Magic of Love』が終わって、メンバーが客席に手を振って帰っていくところ。完全にあーりーと瑠々ちゃんだけがステージに残って、別々に左右に帰っていきました。流石に若干瑠々ちゃんの方が先に捌けていきましたが、このラストを見ただけでも、もうJuice=Juiceはあーりーから瑠々ちゃんへと継承されていくのだろうというのが見えてきます。『おあいこ』のMVでも同じことを思いましたが。それにしても瑠々ちゃんが凄い逞しくなったように思います。前までだったらもっと恐縮していたように思うのですが、もうJuice=Juiceを背負う覚悟はできてる!みたいな貫禄を感じました。あーりーの卒業前からそういう部分を見せてくれるのは、未来に対して安心できますし、安心できるからこそ、集中してあーりーの卒業を祝うことができるように思います。これからのJuice=Juiceも楽しみですね!
4.最後に……
気がつけば、1万2000字。いつもは8000字程度が多いので、1.5倍増し。それくらい楽しいライブでした。そして、里愛ちゃん好きだ。
明日は月曜。いや、今日はもう月曜。時間は1時ちょい前。もうこれで終わりにして早く寝ましょう。ちょっと寝不足にはなるだろうけれど、でも、今日素敵なものを観られたから、来週もまた頑張れそう。いつも元気をありがとうございます。
これからも応援していきます。武道館、当たりますように。