霏々

音楽や小説など

2018-11-01から1ヶ月間の記事一覧

バズマザーズ「Goodbye my JAM」 ~諸行無常の響きあり~

バズマザーズ 5thアルバム<ムスカイボリタンテス>より 「Goodbye my JAM」のレビューをさせていただきます。 アルバム<ムスカイボリタンテス>からはこれが最後のレビューになると思います。アルバムの表題曲でもある「ムスカイボリタンテス」と、おまけ…

Maison book girl「狭い物語」レビュー ~変拍子のカタルシス~

Maison book girl 「狭い物語」のレビューをさせていただきます。 www.youtube.com Maison book girl(以下、ブクガ)と言えば、変拍子。ミニマル音楽の泰斗、スティーヴ・ライヒを尊敬するという作曲家のサクライケンタさんがプロデュースするアイドル(?…

バズマザーズ「恋のデーデン」レビュー ~「デーデン」と言ったらこの曲だよね~

バズマザーズ 5thアルバム<ムスカイボリタンテス> 「恋のデーデン」のレビューをさせていただきます。 こちらの楽曲、楽曲の中ではコミックソング的な立ち位置となっております。バズマザーズのコミックソングと言えば、私は1stの「さよなら三角またきて四…

ライ麦畑の風 vol. 1

ライ麦畑の風 ライ麦畑の色をした秋の風が私たちの隙間を通り過ぎて行く。私たちはみな紺色の制服を着て、奈良公園にまだら模様を描いていた。遠目から俯瞰して見ると、雨の日の車の窓ガラスに張りつく大小の水滴のようにも見える。 私を含めた多くの同級生…

ライ麦畑の風 vol. 2

トイレから出るともう絵具の匂いはなくなっていた。今ではそれが本当にこの世界に存在していた匂いなのかわからない。どこからどこまでが本当に存在しているもので、どこからどこまでが、ただ私が感じているように錯覚しているものなのだろう。デカルトなら…

ライ麦畑の風 vol. 3

「ありがとう」進藤さんはまず私にそう言った。「ううん」とだけ私は答える。 上原先生は言葉を失っていた。彼はもはや先生という役割を抜け出したところにいるみたいだった。ひどく怯えた一人の青年のように見えた。 私は静かにその場を後にして、もと来た…

ライ麦畑の風 vol. 4

水奈が手を振り去っていく。彼女が道の角を曲がって姿が見えなくなったとき、私の後ろにはそっと上原先生が立っていた。 「ありがとう。ここまで連れて来てくれて助かりました」上原先生は赤くなった目をいつものように細めて言った。私は「いえ」とだけ答え…

梁川奈々美 卒業発表 ~やなみんがもたらした可能性~

昨日、11月2日に梁川奈々美さんの、来年3月での卒業が発表されました。 個人的にはめちゃくちゃショックで仕方ありません。 Juice=Juiceは宮本佳林さんを中心に私としては箱推しの態勢でしたが、ハロプロの中でも唯一全楽曲を網羅しているグループです(まぁ…

バズマザーズ「ペダラーダモンキー」レビュー ~リーガ・エスパニョーラのファンタジスタ~

バズマザーズ 5thアルバム<ムスカイボリタンテス>より 「ペダラーダモンキー」のレビューをさせていただきます。 前回の「不幸中毒の女」のレビューから少し時間が空いてしまいました。先週は飲み会に次ぐ飲み会で、それこそ「不幸中毒の女」がX JAPANの「…