めちゃくちゃいい曲なので、久しぶりにつばきファクトリーの楽曲レビューをすることにしました。Juice=Juice専門とは言わせない。ハロプロは全部好きですからね。
最初に断っておくと、福田真琳ちゃんを中心にリトキャメが好きで、最近は村田結生ちゃんが気になっているヲタです。生活の都合上、この記事を書くのに充てられる時間が限られているので、バランス良く触れられないと思いますが、その点は悪しからず。
目次を設けた時点では、いつもの通り、記事の構成は決まっていません。とりあえず目次を置くことが私の習慣になっています。
1.構成
intro
1番:A-1 → A-2 → B → C(サビ) → D(サビ)
2番:→E(ラップ) → A-2 → B → C(サビ)
3番:→E(ラップ) → C’(サビ) → C(サビ)※半音上げ → D(サビ)
みたいな構成になっているはずです。
3分もない楽曲でこれだけの展開があるのがすごい。NewJeansのアルバムを聴いたときに、「最近の曲ってこんな短いんだ」と驚いたのを覚えていますが、この「ベイビースパイダー」にも同じような驚きがありますね。時間とは反比例するかの如く、満足度の高い、ぎゅっと濃縮された楽曲です。
雰囲気もちょっと気怠くて、アンニュイでお洒落な感じが、NewJeansっぽいなと思いました。まぁ、私のアーカイブが少ないせいでしょうが。
展開としてお洒落なのが、まず最初のA-1メロです。メロディラインはA-2と似ているのですが、音程がだいぶ(1音くらい?)低くなっていますね。瑠乃ちゃんの低音は艶っぽくていいですね。以降もこのメロディは出て来ないのですが、1番最初に低く、静かに入ることで、楽曲の方向性を明確に打ち出しています。「洒落ていきまっせ」なんて乱暴な言葉が全く似合わない、そんな気怠い出だし。わざわざこういうメロディを持って来ているのが策士ですね。
あとは落ちサビ的に機能しているC’メロですね。
(ベイビースパイダー Gimme more)
(ベイビースパイダー 君を)
のところです。メロディラインはCメロと同じですが、歌詞に曲名の「ベイビースパイダー」を持ってきつつ、サビの本当に美味しいところだけを短く2回だけ繰り返す、という大胆な引用です。なるほど、落ちサビはこの短さで足りるんだな。
そしてそんな落ちサビとも間奏ともとれる8小節のあとに、半音上がって大サビへ。ここがまた凄い盛り上がりますね。ただお洒落なだけでは終わらないのがハロプロらしいです。やっぱり歌って、響かせるというのがハロプロのコンセプトですからね。これは外せません。まぁ、そうじゃない、終始お洒落なだけの楽曲というのも見てみたいですが。それだと他との差別化ができませんかね。
DメロのサビはCメロに比べると若干弱い気もしますが、ここもやはりサビとして位置付けたいところ。先日、星部先生が「Wサビ」に関する動画を上げていましたが、タイミングがいいですね。こちらもサビの2段構え。贅沢ではありつつも、Cメロよりもやや引いたところがあるため、うまく楽曲の濃淡を作っていますね。歌詞についても「Come on」とかリズムに当てはめているだけ…「だけ」というのは言葉が悪いですが、でも、英詞でさらっと当て込んでいるだけなので、軽やかですよね。重たいCメロとの対比が美しいです。
そしてなんと言っても、Eメロのラップ。ベビキャメ3人の見せ場ではありますが、なんとなく、むらたゆ(村田結生ちゃん)の声が前面に出ているような気がします(違ったらごめんなさい)。ちょっと舌足らずな感じが、ダークな雰囲気と変な混ざり方をしてとても印象的です。単にカッコイイというだけでなく、このEメロがあるからこそ、楽曲は一段と深みを増しています。Juice=Juiceの「トウキョウ・ブラー」のBメロのように、それまでの世界をガラっと変えるセクションはやっぱりいいものですね。
そんな感じで構成から見ても、めちゃくちゃ工夫が凝らされていて素晴らしい楽曲ということがわかります。ちなみに、作曲はもうハロプロのお馴染みになりつつある、Shusuiさんですね。お洒落な楽曲が多い印象です。「涙のヒロイン降板劇」とか「Future Smile」とか「G.O.A.T.」とか。
2.歌詞/キラーパート
作詞は西野蒟蒻さんで、こちらももうかなりハロプロではお馴染みです。
特に解釈が難しいという部分もなく、「チャンスを手繰り寄せて、目標を達成する」ということを歌っていますね。スパイダー=蜘蛛にかけて、「赤い糸」とか「包囲網」とかという単語が使われています。ほかにも端々に蜘蛛を連想させる言い回しは使われていますが。恋愛を直接的に表すような単語はあまり出てこないものの、それでも読み替えようと思えば、「計画的に高嶺の花をオトす」という風にも読み取れます。
でも、なんで「ベイビー」なんですかね。愛らしい人物を指す「Baby」でもありながら、「ベビキャメ」というところともかけているんでしょうか。特別、「幼い」という意味では使われていないように思いますが。
ベビキャメは特にEメロのラップでフィーチャーされていて、とても良い味を出していますが、中でも
いまどき 全部情報戦
の『全部』の発音が曖昧なのがいいですね。『でも』に聴こえます。その後の『want you know』もどこか舌足らずで可愛いです。声音はとても大人びているのに、不思議です。
腐らず Routing working
のところも可愛いポイントが高めです。
あとはラップパートではありませんが、大サビCメロの
ベイビースパイダー
の声が幼くて可愛すぎる。それまでの低めの歌声から打って変わって、「らしさ」が出てますよね。これだからアイドルって面白い。
そして、私は真琳ちゃん大好き人間なのですが、この曲の真琳はとても良い。英語の発音の良さが逆にフックになっているんですよね。中でも好きなのが、2番Aメロの
入念にシミュレーション 難攻不落でも
はこの曲で1番の大好きポイント。『シミュレーション』の発音が良すぎて、もうそれだけで音楽になっている感じがします。『難攻不落』の『ら』も素敵すぎ。淡く渋味の効いたお洒落な歌声がたまりませんわ。
落ちサビC'メロの
(ベイビースパイダー 君も)
の『ダー』の発音も素敵すぎます。なんて品。甘い、甘すぎる。めちゃくちゃいいウィスキーボンボンみたいな声ですよね。まぁ、控え目に言って、最高ってこと。
あとは繰り返しになりますが、出だしのA-1メロが好きなのですが、ここを歌っている瑠乃ちゃんがまず完璧なんですよね。
欲しいものばかり 溢れてる この街
そして、結心ちゃんの1番Dメロで現れるお得意のウィスパーボイス『ベイビースパイダー』も言うまでもなく良いのですが、この楽曲のラストを飾る瑠乃ちゃんの
ベイビースパイダー
もいいんですよね。なんていうか、ちょっとイタズラ心があるというか。儚いだけじゃない、お洒落さが滲み出て、これは瑠乃ちゃんにしか出せないセンスだな、と。やらされてる感がないんですよね。しっかり瑠乃ちゃんの中から出てくるニュアンスなのが良い。
と、そもそもソロパートがあまり多くない楽曲ですので、これくらいにしておきましょうか。
3.最後に…
時間の制約が主たる要因ではありますが、楽曲の端的さを模範としてこれくらいで終わりにしようと思います。いつもは8,000字以上は書いているので、今回は3,000字くらいですから半分程度ですかね。まぁ、たまにはこういうのもいいでしょう。
とりあえず書いたという事実が重要なのですよ。こういうのは。
にしても、本当にいい曲だなぁ。つばきファクトリーに似合ってますよね。一概にお洒落と言っても、アンジュルムであればギラっとしたモード系のお洒落さで、Juice=Juiceであれば濃厚でゴシックなお洒落さ、みたいなイメージがあります。実際にそういう衣装を着ているわけではないので、本当にイメージでしかないのですが。対してつばきファクトリーのお洒落さって、エレガント系みたいなイメージです。ふんわり系もいけますが、やはり気取り過ぎず、どこかナチュラルで、でも圧倒的に軽やかで美しい。そんな感じです。なので、この「ベイビースパイダー」のお洒落で軽やかで濃縮された感じはぴったりなのです。
さて、そろそろ寝る時間になりました。疲弊した脳味噌に鞭を入れるためにチョコを食べ過ぎました。これは明日肌が荒れるし、胃がぐしゅぐしゅするな。でも、今日もこうして文章を書けたからいいんだ。これで私は幸せ。
それではおやすみなさい。ベイビー、スパイーダ♪