昨日、MVが公開されたアンジュルムの「46憶年LOVE」の感想を(初めての音楽レビューになります)。
【ざっと感想】
イントロからサビまで全てがキャッチ―で、間違いなく良曲!
およそ誰が聞いても、一発で好きになれる曲だと思います。
ファンクテイストでリズムも細かく、またサビAのあとにサビBが来るような、楽曲的にも面白い工夫が施されている曲ですね。
あとは何と言っても、意味不明なMV!
これが嫌いなハロヲタはいないんじゃないかと。
アンジュルムを他人に薦めるなら、この「46億年LOVE」か「大器晩成」になるのではないかと個人的には考えています。
最後に、アンジュルムらしい「わちゃわちゃ感」とメンバーみんなの弾けるような笑顔が最高です。結局のところ、それがこの曲の一番の魅力だと思います。
【楽曲について】
ブラスとシンセサイザーがタスキを繋ぐような、キャッチ―なイントロから始まります。リズムをよりファンキッシュに彩るのはギターのカッティング(カッティングじゃない人ももう1人いますかね?)。とにかく、中~高音域にかけてゴージャスで華やかな音色となっていて、聴く人のテンションを上げてくれます。
リズムは、おそらく打ち込みのドラム・8ビートを基本として、太いですが主張し過ぎないベースが確実にこの楽曲のノリを展開してくれています。そこにコンガを加えて楽しく、軽快な赤羽橋ファンクの完成ですね。
メンバーの掛け声も合わさって、楽しさ倍増です!
そして、Aメロですが…
個人的には、多くの楽曲において最もテクニカルな部分がAメロだと思うんです。イントロやサビは情熱や感性、Bメロは感性とはちょっと違う「センス」が試されます(もしかしたら、「センス」というよりは崩すも崩さないも「バランス感覚」みたいな)。
そういう意味では、この「46億年LOVE」のAメロは、イントロからブラスを抜いて、ベースとギター×2が主導となって、楽曲のリズム・ノリを楽しませてくれる素敵なAメロとなっていますね。かつ、現代的なノリになっていて、全体を通して実はもっともお洒落感が出ている部分だと思います。
Bメロはキメを多用して、リズムを崩すことで楽曲の立体感を生み出してくれています。サビへの繋ぎも、ワクワクさせてくれる大好きなパターン!
ダッ、ダッ、ダッ、ダッ、来って~よ ♪ /(サビ~)
という感じで、サビ頭がシンコペーションして、Bメロに食い込むという…しかも、「来って~よ」の部分は楽器隊が一度落ちて、サビへの盛り上がりを期待させてくれます。教科書どおりではありますが、最高の展開ですね!
1番の個人がフィーチャーされるBメロも好きですが、個人的には2番の2人ずつパートを回していくBメロの方がより好きですね。ハロプロは個性的な子が多いので、2人くらいの声の組合せが、聴いていてとても楽しいです。むろたん&かわむーではかわむー、かっさー&ふなっきではふなっきが、それぞれ特徴ある声でありながら、相方の滑らかな声と合わさって、素敵なハーモニーになっています。あとは、もっと個人的な理由で、かっさーが好きなのでサビ前のソロがたまりません!
さて、サビですが、冒頭でも言ったように、サビAとサビBの2段構えになっている面白く、そして豪華な構成です。
サビAはマイナー調で細かいビートを刻みながらの、これまた非常にキャッチ―なメロディライン。どことなく、「タデ食う虫もLike it !」やこぶしファクトリーの「チョット愚直に!猪突猛進」を手掛けたヒャダインさんっぽさを感じます(ヒャダインさんよりは、もう少しマイナー調が強いですが)。伸びやかな部分とキメの組合せが聴く者の心を鷲掴みにしますが、これを気持ちよく歌いこなせるメンバーはやっぱりすごいな、と。
そう言えば、この「46億年」の作曲者は、林田健司さんという方で、SMAPの「青いイナズマ」を作曲した方ということです。ジャニーズはあまり詳しくないのですが、昔から個人的に「青いイナズマ」は好きで何故かよく聴いていました。編曲が全然違うので「46億年LOVE」に似ているとはあまり思いませんが、それでもサビのマイナーなメロディラインに感じる熱量は通じるものがあります(Bメロからサビへの流れは、同じくシンコペーションを使っていますね笑)。
そして、ついにサビBですね。
ある意味では、このサビBがこの曲の肝と言って良いでしょう。
ほかの曲と比較をして「どちらが良い」という言い方は嫌いですし、意味がないとも思うので、「そういう意味ではない」という前提を明示しておきます。
が、前述の「タデ食う虫もLike it !」のようにただのめちゃくちゃ素晴らしい良曲に留まっていない、古き良きハロプロらしさを感じさせてくれるのが、このサビBだと思います。
現代的な細かいビートを駆使したAメロ~Bメロ~サビAまでとは打って変わって、ビートをより単純な8ビートに落として、ノリやすい展開を持って来ています。自分は現場では地蔵ですが、自宅で動画を見ている分には思わず「ノっていこう!」とコールしてしまいます。この辺りのちょっとしたダサさみたいなのが、ハロプロの素晴らしいところですからね。ただの良曲ではなく、楽しく、人を幸せにするような音楽として方向性を決めているのが、このサビBだと思うのです。
別の言い方をすれば、このサビBがなかったら、MVもこんなにはっちゃけたものにはならなかったんじゃないかと。そういう意味において、このサビBが「46億年」のアイデンティティだと思っています。
(細かいところですが、「Dance Dance」のところの発音がめちゃくちゃ好きです。しっかりハロプロしてるな~、って思います。)
だいぶ長くなりましたが、最後に落ちサビのむろたんを絶賛させていただき、その上で、最後のサビBの「ラスト!」について言及させていただきます。
この「ラスト!」については、モーニング娘。'16の「泡沫サタデーナイト!」のズッキのセリフ部分のようなメタい楽しさを感じさせます。あの名曲、大塚愛の「さくらんぼ」の「もう1回!」的な楽しさですかね。歌詞カード中に存在する「あおり」ってなんか、ほんとに楽しい感じがしますよね。
以上、楽曲について、でした。これから歌詞やMV(ダンス)についても書いていきます。めちゃくちゃ長くなってしまい、書いている本人も疲れてきましたが、まだまだ行くよ~(cf. とろサーモン久保田)
【歌詞について】
アンジュルム「46億年LOVE」歌詞 (MVより引用)
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「一生守る」とすぐに誓うけど
あなたの一生って何度目?
「好き」ならわりと言えるもんだけど、
「ぎゅっとしてよ」ちょっと恥ずかしい
目が回っちゃうくらいに忙しい日々
白黒淀んだこのグレーなシティ
今朝は駅前で何人とすれちがったかな…
来てよ!優しい愛の時代
女も男もみな人類
歴史に名を残す前に
アツい電話くれなきゃ
無理無理
I say ノってこう
結局はラブでしょ
地球回る宇宙もDance Dance
ノっていこう
大きなラブでしょ
愛は超える46億年
生き残り続けられたとして
行き着く先はどこなの?
真夜中って無性にさみしくて
早く寝るのも怖いわ
誰も彼もきっとちがう同士
わかんなくても当然 ダイバーシティ
傷ついたら「傷ついたよ」と
伝えられたら…
作ろう!まばゆい愛の時代
それしかないよ実際問題
夢に見てた自分じゃなくても
真っ当に暮らしていく 今どき
もいっちょ!ノってこう
結局はラブでしょ
地球回る宇宙もDance Dance
ノってこう
大きなラブでしょ
愛は超える46億年
もしも争いのない未来
誰かが堪えてたら意味ない
夢にみてた自分じゃなくても
真っ当に暮らしていく 今どき
ラスト!ノってこう
結局はラブでしょ
地球回る宇宙もDance Dance
大きなラブでしょ
愛は超える46億年
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まぁ、正直なところ、わかりやすい歌詞ではあるので、改めて言うこともありませんが、個人的に思うところを少しだけ書きます!(個人的に、歌詞について考えたり、色々想像したりするときは、極力楽曲とは切り離すようにしています。とは言え、音楽あっての歌詞でもあるので、音感も含めて最後にはまとめたいと思います。)
概要としては、1番がどちらかと言えば、恋する乙女的な目線で、2番以降はハロプロらしい地球人類に向けた愛のメッセージになっています。作詞は、アンジュルム御用達、児玉雨子さんですね。
「白黒淀んだグレーなシティ」あたりは雨子さんらしいですし(アンジュルム「七転び八起き」のAメロ参考)、「わかんなくても当然 ダイバーシティ」は雨子さん的でありながら、若干つんく♂さんらしさも感じさせます。
色んな人がいて、みんな何やかやと暮らしていて、他人とはわかり合えない部分もある。それでも、結局はラブ(愛)でしょ。地球46億年の歴史においては、愛がすべてを繋いで来たんじゃないか。と、そういうような内容の歌詞だと思います(そのままですね笑)。
ちなみに、46億年というのは地球の年齢であって、我々人類の年齢ではありません。我々人類はおよそ4~500万年前に誕生したらしいです(Wikipedia並みの情報です)。
個人的には、「もしも争いのない未来 誰かが堪えてたら意味ない」という歌詞が好きです。小学校か中学校か、あるいは高校か、いつだったかまったく忘れてしまいましたが、何かの授業か何かで、とあるユートピアに関する話を聞いた気がします。
そのユートピアではすべての人が幸せに暮らしています。主人公もまた幸せに暮らしていました。けれども、実際は何人もの奴隷が死ぬ思いをしながら働くことで、そのユートピアは理想郷として成立していたのです。それを知った主人公は…どうしたんでしたっけね?笑
詳しいところは忘れましたが、今ちょうど「ワンピース(マンガ)」でもそんなような展開になっていますし、ほかに思い出すところで言えば、「まどマギ」とかですかね? まどかはすべての魔法少女のために、自らが宇宙の新たな法則となり、消滅します(今さらネタバレも何もないと信じています)。
「誰も堪えることのない、争いのない未来」は私たちの理想です。しかしながら、ルソーが「人間不平等起源論」で言うように、人間が完全に独立した自然人でない限り、人間の理性は人間に相互協力を強制します。つまり、人間の協力関係こそが、そこに社会を生み出し、関係性の枠組みによって人の間に不平等を作り上げるわけです(ここで勝手ながら「人は好きだけれど、人間は嫌い」という言葉を残したいと思います。「人間=人の間」はつまるところ、社会を想起させます。似たような言い回しをすれば、「I like human, but I hate persons」とできますかね)。
まぁ、そういう残念な不平等的宇宙を救う方法として、雨子さん、もといアンジュルムは「結局はラブでしょ」とおっしゃっているわけであります。まさに、その通りだなぁ、と思います。いや、そう思いたい…
と、こんな感じで歌詞に関しては終わりにしようと思います。
ハロプロっぽい「世界人類が平和でありますように」的な素敵な歌詞でした!
【MV(ダンス)について】
ダンスについては、もう完全な素人なんで思ったことをそのまま書きます。
ついでに、MV全体についても思ったことを書き連ねますので、どうぞよろしくお願いします。
まずは、全体的な雰囲気としては、なんだかEarth, Wind & Fireの「September」のようなものを感じました。ハロプロでEarth, Wind & Fireと言えば、こぶしファクトリーの「押忍!こぶし魂」ですが、あれは「Boogie Wonderland」のパロでしたね(自分の父親がたまにEarth, Wind & Fireを聴いていたので、何となく馴染はありましたが、ちゃんとMVを見るきっかけになったのは「押忍!こぶし魂」を聴いてからですね~)。
スフィンクスが縦ノリしたり、トーテムポールがマサイしたり、地球がミラーボールだったり、宇宙飛行士が無造作に宙に浮かんでいたり、と楽しけりゃ何でもありなMV。これを考えた人はハロプロを良く理解しているなぁ、と感じました。
さて、ここからは時系列的に印象的な部分を書いていきます。
まずは、しょっぱなのかっさーのくるくるですね。とにかく回る、回る、回る。かっさーがむろ、たけ、かな、と誰が一番きれいにたくさん回れるか、という動画を思い出します(Dマガvol.15の2018年カレンダー撮影ですかね?)。いやぁ、かっさーにはいつも癒されますね。自分がかっさーを本格的に気になりだしたのは、DARSの動画でりかこ、かみこと一緒にチョコレートクッキングをする動画からです。大型犬的かわいさと、あのぶっ飛び具合がたまりません。
話が逸れました。
次は、1分09秒あたりのかわむーのカメラ目線ダンスですね。とにかくかわむーの仕草はアイドル力が高い! いつだったかのアイドル三十六房(タワレコ社長の嶺脇さんとか、インタビュアーの難波さんが司会を務めるネット番組)でも、「Uraha=Lover」2番Aメロ「照れながら、君がくれた」でのかわむーの仕草が可愛いと話題になっていた気がします。とにかくこの「46億年」でも随所で可愛いですが、この「歴史に名を残す前に」の笑顔とノリノリダンスには一発でやられてしまいました。
さて、お次は1番明けの感想でのたけちゃんのダンスです。これはもう完璧な16ビート。たけちゃんは歌もダンスもめちゃくちゃレベル高いですよね。何でもさらっとこなしてしまう印象があります。1つひとつのダンスの動作が16ビートにきちんと乗っているので、とっても綺麗に見えますね。あと、この間奏ダンスでは、むろたんの跳躍が実はめちゃくちゃ高いのが、ちょっと面白いです。この感想を書くために、一時停止したら頭の半分が画面からはみ出て、膝曲げジャンプの膝が画面の半分より上まで行っていました。単純に凄い…
そして、来ました。2番のBメロ。ここは【楽曲について】でも機銃つしましたが、2人組のパート回しが大好きなところです。中でも、ふなっき&かっさーの「わかんなくても」の表情が良いですね。ふなっきお得意の表情ですが、かっさーがそれを一生懸命真似してるのも良いです。最後のかっさーソロの「伝えられたら」も表情が抜群に素敵です。Juice=Juiceの佳林ちゃんを感じました。
少し飛びますが、2番のサビ終わりのダン!でのかみこの音ハメソロショットも可愛いです。というか、このMVのソロショットはみんな可愛くてキラキラしていますよね。これまで触れられていないメンバーもみんなやっぱり可愛いなと思います。
最後のサビB、3分22秒あたりのむろたん。全員で輪になって、回ってるショットのところです。顔が歪んで宇宙人みたいになってますが、何というかむろたんらしさがハンパないです。全体的に宇宙テイストのMVなので、なんかそういう関連性まで考えると、宇宙人チックな顔エフェクトも妙に納得してしまいます。
最後に、全体を通してりかこのダンスについて。ハロステのダンス座談会でも話題になっていましたが、確かにりかこのダンスの表現がかなり素敵になっている印象です。この曲は、どちらかと言えば楽しさ重視なので、また別の雰囲気重視な楽曲(たとえば、Juice=Juiceの「SEXY SEXY」とかですかね)で、りかこのダンスを見たいと思ってしまいます。
さて、以上を持ちまして、アンジュルム「46億年LOVE」の感想を終わりたいと思います。
総括としては、やっぱりこの曲は素晴らしい!
楽曲大賞取ってもおかしくないと思います。
最後に…
およそ半日かけて、このレビューを書いてみました。予想以上の重労働…楽しいから良いんですが。誰か読んでくれる方はいるのでしょうか。まぁ、いなくても自分のメモがてら、残して置ければ良いですかね。
これからもハロプロだけに限らず、ほかのアイドルや、邦楽のちょっとマイナー目の音楽が好きなので、随時ブログにまとめていこうと思います。
本当に疲れた…
(追記)
そういえば、編曲者の鈴木俊介さんについて、触れるのを忘れてました。と言っても、今さら言うまでもなくハロプロの多くの楽曲に携わっている方ですね。
近年のモー娘。で言えば、「泡沫サタデーナイト!」や「スカッとMy Heart」や「The 摩天楼ショー」、古くは今年2018年の夏のハロコンでも披露された「でっかい宇宙に愛がある」などですね。「でっかい宇宙に愛がある」…本当に良い曲です。ハロコンのファミリー席で地蔵かましてる自分の隣で、この曲を聴いて泣いている方もいました(ちなみに、このとき自分の前にはおそらくナカGさんがいらっしゃったんですよね。お声をかけたかった…!)。今しがたあげたモー娘。の4曲すべて良曲です。どれもまたファンクなアレンジがたまらなく、レビューしたいくらいなのですが、とりあえずはまたの機会に。