霏々

音楽や小説など

2024.11.7 CreAto 10th anniversary「式日」- siraph, あらかじめ決められた恋人たち -

 先週の木曜日、久しぶりにsiraphを観に行きました。照井さんが好きなんですよね。なんだかんだハイスイノナサTSUTAYAでジャケ写借りしてから10年くらいはつかず離れずって感じです。sora tob sakanaも大好きだったし、最近では呪術廻戦のサントラをよく聴いていました。『No Hesitation』大好き。DIALOGUE+の『凍てついて秒速』も大好き。そしてもちろんsiraphの曲も大好きです。

 

式日

 

 

 siraphで特に好きな曲は『quiet scuall』と『linotype』。それ以外の曲も全部好きだけれど、siraphの曲は日常のどんな場面にも合うので大抵テキトーに流し聴いてしまうことが多くて、音楽と曲名があまり頭の中で一致していない。曲を聴きながらタイトルを見せられれば、「あぁ、そうだったね」となるんだけど、不思議です。

 あんなに複雑細緻な楽曲なのに、都市にいても自然の中にいても不思議とぴったりとマッチしてしまう。嫌な気持ちになることが全然ない。でもちゃんとポップで気分がノってくる。そういう不思議な質感を持った音楽なイメージです。

 でも、どうしてかほとんど聴かない時期もあります。気持ちが浮ついている時期でも、沈んでいる時期でもない、フラットな時期によく聴いている印象です。そしてこの秋、チケットを購入したからということも多少はあると思いますが、空気が冷ややかになり透き通っていくこの時期に、siraphは本当にぴったり。「お、久しぶりにsiraphのライブ情報が入ってきた。久しく顔を出していなかったし、そろそろいい時期かも」。そう思ってポチった過去の私に賞賛を送りたい。本当に素晴らしいタイミングで、siraphを生で聴けました。

 しかも、対バンの相手が「あら恋」という。「あら恋」もそう言えば、久しくちゃんと聞いていませんでした。私が「あら恋」と出会ったのは頂フェスの動画。

 

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 ミドリもハロプロも大好きな私からしたら、劔樹人さんがベースをやっているというのがまた運命的に感じられました。ちょうど10年くらい前の映像ですか。いやぁ、時の流れは早いものですね。この映像とペトロールズにやられて、頂フェスにいつか行ってみたいと思いながら、結局0.1世紀が経過してしまったわけですか。いやいや、しかし、頂には行けなかったけれど、「あら恋」のライブには行けました。10年越しに願いが叶いたり。

あら恋」の曲はあまり知らなかったんですが、なぜか『ブレ』というアルバムだけ例のTSUTAYAにありまして、おそらくはハイスイノナサと同じくらいの時期にレンタルしました。『20分の雨』という曲が好きで、色々なプレイリストに入れていたことを最近思い出しました。

 そんな私にとっては結構運命的な対バンでしたね。あんまりちゃんと聴けてはいなかったものの、たぶん細胞レベルで好きな2組。

 

 ぬるっとライブの感想に入っていきますけれど、まず1組目はsiraph。私にとっての本命。でも、たぶんだけれど、ライブはあら恋の方がぐわーっと来るんだろうなと思いますし、おそらく歴的な話からしてもsiraphが一番手というのは納得。

 照井さんの衣装と髪色がグレーで統一されていてカッコよかったです。と、女性ファンみたいなことを言ってみたり。Annabelさんも変わらずお美しかったです。たしか緑色にインナーカラーを入れられていてそれもよく似合っていました。

 1曲目はこの日唯一私が曲名と音楽が一致している『想像の雨』。いきなり照井さんのギターが光っていました。よくもあれだけ複雑なフレーズを、すらすらと淀みなく弾けるなぁと普通にプレイヤーとしても尊敬してしまいます。もちろん作曲センスとかプロデュース能力とかも凄い方なんですが。

 siraphはマスロックというかポストロックというか、な感じだと私の足りない音楽知識でカテゴライズしているんですけれど、それでもメロディが結構キャッチ―でお洒落なのであまり難しく考えることなくノれるのが好きなところ。時々5拍子とかもありますし、裏拍を取ることもしばしば、シンコペーションはお手の物という感じではありますが、それでもやっぱりノれてしまう。照井さんの曲を聴き続けてきたからなのでしょうか。いや、でも、それなりに音楽を聴いている人だったら普通に楽しめるんじゃないかな。少なくともハイスイノナサほど複雑ではないし、sora tob sakanaほどキラキラ、きゅるきゅるしてもいない。友人に照井さんの楽曲を勧めるならたぶんsiraphの楽曲からになるでしょうか。まぁ、アニメ好きな人だったら、呪術廻戦のサントラからでもいいかもしれませんが。

 そんな風に、「やっぱsiraphの音楽っていいよな」と思いながら音楽に飲み込まれていたらあっという間に終盤までやってきてしまいました。MCを挟んで、「最新曲をやります」と言われたので、これが『前世界』だとわかりました。たぶん何も言われずやられていたら曲名はわからなかった。もしかしたらVJのラストで難しい書体で『前世界』っぽい字が出ていたので、それで気づけたかもしれませんが。

 そうそう、VJが素晴らしかったんですよ。CreAtoさんは後ろの壁一面がLEDスクリーンになっていて、そこに美しい映像が終始映し出されていました。siraphっぽい都市と自然と光と、それから幾何学的模様。そんな感じだったと思います。淡い記憶。

 アンプの類もできるだけ端に寄せられ、映像美をこれでもかというくらいに感じられました。いやぁ、あの音楽と映像のコラボレーションは反則でしょ。会場の規模感もおそらく200~300程度。当日は100人ちょっとくらいでしたかね。割と余裕のある空間だけれど、しっかりと小規模な箱の密度の高い鳴りをしていて最高のひと時でした。

 MCではsora tob sakanaも結成当初からお世話になっていた箱だということが照井さんの口から伝えられ、私は一人で感慨深い想いに囚われていました。あぁ、その頃からこうやってライブに来れていたらなぁ。大学生のときはとにかくお金がなかったし、就職してからも最初の数年間は地方に配属されていたので、なかなかこうしてライブには行けなかったんです。まぁ、でもこうしてようやくお金も場所も揃ったので、今をしっかり楽しみましょう。

 と、色々と書きながらsiraphを流していたのですが『words』という曲が流れて来て、「あ、これ、ライブで聴いたやつだ」となっています。凄い特徴的なイントロ?というかAメロと、カッコイイギターが特徴的な楽曲。目立っていたのでよく覚えていました。そうか、これが『words』ね。覚えた、覚えた。

 

 さて、さらっと書くつもりが思いのほか長くなってきました。あら恋パートは少し短めに書きたいと思います。

 まず、全体的な感想は「思ってた通り!最高じゃん!」です。私があら恋でちゃんと知っているのは、上述の『前日』のライブ映像と『20分の雨』くらいのもの。でも、『20分の雨』の方はたぶんライブ映えする曲じゃないからやらないだろうな。だから、『前日』をやってくれるといいな、と思っていたのですが、嬉しいことにやってくれました。たぶん。

 たぶん、と言ってしまうくらい、記憶があいまいだし、私のあら恋知識が少なすぎる。でも、とにかく楽しかったのは間違いないです。轟音も轟音。数日左耳がぼわーんってなるくらいの轟音。でも、そのノイジーな世界に包まれているのは本当に心地の良いものでした。

 映像もどこか生々しい感じがするような、美しい都市の風景が冷ややかであるような、それでいてピアニカとテルミンの音がなぜか牧歌的であったり異国情緒があったりで、不思議な感覚。地平方向にも時間方向にも旅をしていくような、素敵な体験でした。本当に箱がよかった。音楽と映像。その両方が、箱の規模感も相まってとにかく濃密な芸術体験という感じです。

 そして、1曲、1曲が長い。siraphなんかは結構コンパクトに綺麗に楽曲をまとめていて、MCも淡白で次々と作品を見せてくれるエンターテインメント性がある感じだったので、あら恋はとにかく冗長的だなぁと思わざるを得ませんでした。翌日も仕事があるので、疲れやすい私なんかは最初の方は「あぁ、長いなぁ」とずっと思っていました。が、何曲かやるうちに腹が括れてきて、「いや、もうここまで来たら一生終わらないでくれ。もう明日なんて来てくれるな。ずっとこの轟音の中に!」とすっかりと敬虔な信者になってしまいました。もうアンコールも長めの曲をやってくれて最高でしたね。

 にしても、体感20分近くやっていたアンコール前のあの曲はなんて曲なんだ!?知識が無さ過ぎて、情けない。ピアニカのフレーズだけがリフレインしているのだけれど、調べてもどれもピンと来ない。あのライブの轟音で聴かないとピンと来ないのかもしれないし、本当にまだ出会えていないのかもしれない。その辺がまったくわからない。誰かセトリ公開していないかな。

 と、Xのアカウントを調べていたら、なんと劔さんの脱退は最近だったのですね。ベースが違う若い方だったので、「あぁ、見ないうちに替わっていたんだな」とちょっぴり残念がっていたのですが、なんとニアミスでしたか。それは余計に残念ですね。いつか生の劔さんにもお会いしたいものです。

 それからメンバーで言うと、ドラムが礼賛と一緒ではありませんか。これも知らなかった。意外と色々なところで色々なものが繋がっていくのですね。

 

 と、そんな感じで最高の夜でした。いやぁ、今年は充実しているなぁ。今週末のLocal Green Fes.も非常に楽しみでございますし。また積極的に色々なライブに参加してみようと思います。

 それでは感想を書くのが遅れてしまいましたが、今日はまだ月曜なのでさっさと切り上げてしっかり眠ろうと思います。それでは、おやすみなさい。