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「有線ピヤホン3」レビュー

クラウドファンディングがかなり白熱した有線ピヤホン3ですが、本日8/20に手元に届きましたので早速簡単なレビューをさせていただこうと思います。

 

有線ピヤホン3 外箱

ピヤホンシリーズですが、まず箱からカッコイイですよね。これだけで「良い買い物をした!」という感動があります。

取り出してみると、これが結構ずっしりとした重量があり、高級品という感じもありますね。

 

有線ピヤホン3

 

 

1.音質~強み~

一聴して、「おぉ!ボリューム感がすごい!」という感じがありました。低音がかなり重めで、それでせせこましくなく、非常に広がりというものを感じます。ただ低音が大きく鳴っているというのでもなく、しっかりとクリアに聴こえてくるので感動しました。

低音に関しては、まず「粒立ち」から確認していきます。あまり良いイヤホンでないと、ベースの音が潰れてしまって16ビートなどが曖昧にしか聴き取れないということが結構あります。それを確認するための音源として、私はたいてい「シュガーサーフ(おいしくるメロンパン)」のベースを確認することにしています。

 

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はい。ちゃんと聴こえますね。ほかのイヤホンとの比較は最後にまとめて行うつもりですが、無線ピヤホン5と比べると、よりベースの音が生々しいです。無線ピヤホン5の方が若干音に加工・補正が入っているような感じがあり、マットに聴こえます。マットな分、「粒立ち」という観点では無線ピヤホン5の方がはっきりしている感じもありますね。とは言え、やはり有線は情報量が多く、いい塩梅で雑味もあり、それが生々しさを引き立たせています。にもかかわらず、音が潰れずにしっかり一音一音聴こえてくるのは、やはり解像度の高いイヤホンなのでしょう。

そして1番、有線ピヤホン3で聴いて感動した(相性がめちゃくちゃ良いと感じた)のが「D.A.N.」の最新アルバム「NO MOON」ですね。

 

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アルバム表題曲の「No Moon」では約1分あたりからのベースの低音の存在感がエグイです。

 

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アルバムの中でもかなり攻撃的な「The Encounters」もめちゃくちゃカッコ良く聴こえます。

この「NO MOON」というアルバムの音像は、

・低音が太く、よく響き、味わい深い

・多彩な装飾音(中音域~高音域)

・甘く、生々しいボーカル

という特徴があると思っているのですが、それらの良さが有線ピヤホン3によって最高潮にまで引き出されている気がします。逆に言えば、有線ピヤホン3の強みが上記のような点にあると言えるでしょう。

 

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なので、意外とピアノの独奏なんかでも音が痩せ細りしなく、豊かな音像を楽しむことができます。

このように総じてかなり迫力が出るイヤホンであると思います。

 

2.音質~苦手分野~

苦手分野というか、これは単純に好みの問題という気もしますが、「一長一短だよね」ということを簡単にご紹介させていただければと思います。

 

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以外なところで、個人的には「凛として時雨」や「TK from 凛として時雨」における私の楽しみ方とはちょっとマッチしていないなという印象でした。もちろん、低音を含めた音全体の迫力は素晴らしく、いつもよりも骨太な音像を楽しむことができます。しかしながら、どうしても私は鼓膜に突き刺さるような攻撃性の高いものを「時雨」に求めてしまいます。

有線ピヤホン3は長時間聴いていて疲れないイヤホンを目指したとのことなので、耳に刺さるような音域はあえて抑え込んでいるそうです。そう考えると、確かに「時雨」の音楽でも長時間聴いて疲れないので良いですよね。私は散歩しながら「時雨」を1~2時間爆音で聴き続けるというストレス発散をたまにやるのですが、大抵最後の方は鼓膜が疲れて、人の声なんかがまるで何重もの膜を通して聞こえてくるような感じになってしまいます。有線ピヤホン3ではそういった事態にはなりにくそうです。

なので、一長一短なのですが、どうしてもそういった刺激が欲しいときはいつも使っているイヤホンを使おうと思います。ちなみに、この点に関して言えば、無線ピヤホン5よりは有線ピヤホン3の方が攻撃的な音をしているように思いますね。というか、有線の方がやっぱりかなりタフな音像だと思います。より「生(なま)」です。

 

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そして、これは完全に強みの裏返しなのですが、「No Buses」のようなある種のローファイ感、チープさを楽しみたいときには、有線ピヤホン3は若干迫力が出過ぎるという部分があるかもしれませんね。バスドラムやタム、ベースが骨太になります。まぁ、でもこれは気にならないと言えばそこまで気にならないかもですね。むしろ、YouTubeとかの広告に迫力が出てしまう方がちょっとイラっとします笑

 

3.装着感

耳掛け式の有線イヤホンという意味では、私は普段オーディオテクニカ(オーテク)で耳掛け式のものを使っているので、そっちに慣れています。オーテクのものは耳にかける部分が針金のようになっていて、一度曲げたらその角度を維持してくれるような硬さがあるのですが、有線ピヤホン3のケーブルにはそういったものがなく、柔らかいです。なので長時間かけても耳が痛くなりにくいというメリットがありそうです。が、ちょっと使った感じでは、ケーブル自体にも結構重さがあるので、安定感は若干オーテクに劣りますかね。

あとはケーブルにはツイストがかかっており、その分ノイズは乗りにくくて音質は良くなると思いますが、耳掛け部の装着感と合わせて、ごてっとした重さがやはり気になりますね。もののけ姫でエボシが「やはりちょっと重いな」と言うくらいの感じですかね。慣れれば大丈夫だと思いますし、慣れない中でも別に扱えないわけではないので。

 

4.まとめ

私自身、オーディオマニアというほどではないので、細かいパーツの役割などはよくわかりません。わからないなりに、「良い音質で音楽を楽しみたい」と思って来たのですが、この有線ピヤホン3と出会うまでは基本的にオーディオテクニカの中で少しずつ高価なものを買うようにしてきました。

現状、私が使用しているのは、

ATH-E70

というやつで、だいたい4万円ちょっとの値段です。解像度が高く、前述の通り、結構耳に負荷がかかるような帯域までそのまま出力してくれるので刺激的です。このイヤホンを使うまでは、

ATH-LS400

まで、LSシリーズの中で徐々に値段を上げて来た感じです。リケーブルもしてみて、計5万円ほどかけたものを使用していたのですが、故障を機にE70の方を買ってみたら、そちらの方がリケーブル無しでも解像度が高く感じられたので、今ではE70をメインで使用しています。

人にイヤホンを貸してもらう機会もたまにあったのですが、中高音を含めた全体のバランス感が良いイヤホンが好きなのか、オーテクばかり使ってきました。

ただ、普段使いではどうしても利便性の観点から無線ピヤホン5ばかり使用しているという状況です。無線ピヤホン5もとても良いイヤホンですが、やはり情報量の多さと全体的な音の広がり、生々しさという観点では有線に劣る印象があります。なので、休日などに散歩をしながら音楽に没頭したい!というときには、大抵上記の有線イヤホンを使用しています。

そんな私の音楽生活の中に現れた有線ピヤホン3。33,000円という価格から考えれば上記のオーテクイヤホンよりも若干劣るかと思っていたのですが、全然そんなことはありませんでした。むしろ、私はこの有線ピヤホン3にめちゃくちゃ感動しましたね。正直、高音の突き刺さり具合以外は、有線ピヤホン3の方が「音の広がり」、「迫力」、「解像度」という様々な面で優れている印象です。高音の突き刺さり具合についても、裏を返せば「疲れにくい」という長所でもあるので、「ピエール中野さん、めっちゃいい仕事したな」と改めて感心させられました。

あとはどうしても装着感だけ慣れない(現状、やや不便と感じる)ので、そこだけ克服してこれからの音楽生活により楽しみを見出していこうと思います!

 

最後に…

一聴して「良いイヤホンだ!」と感じますし、細かく聴いていくとその豊かでバランスの取れた音像の素晴らしさにも気づかされ、本当に良い買い物をしました。今までイヤホンも好みがあるし、音楽へのお金のかけ方も人それぞれだから、と他人に自分の気に入ったイヤホンを勧めることなんてなかったのですが、これは他人に勧めたくなるイヤホンですね。今のところはまだ一般発売されていないみたいですが、一般発売されるようになったら、ぜひプレゼントにもしてみたいイヤホンです。

改めて、感動をありがとうございました。これからいっぱい使っていこうと思います。