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音楽や小説など

凛として時雨「DEAD IS ALIVE TOUR 2022@KT Zepp Yokohama 2022.5.22」ライブレポート

凛として時雨のライブに行くのは、なんだかんだと2019年の「Golden Fake Thinking」以来なので、3年ぶりとかになっています。配信ライブとかで楽しんでいたので、すっかり定期的にライブに行っている気分になっていましたが、ずいぶんとお久しぶりな感じでした。

 

DEAD IS ALIVE TOUR

 

1.雑感

先日のTK from 凛として時雨の「egomaniac feedback tour 2021」の最終日、東京国際フォーラム公演に参加していたこともあって、あまり時雨のライブは久しぶりという感じがしなかったのかもしれません。しかし、会場入りしてハイネケンを飲みしばらく経ち、toeの「I dance alone(album.remix)」が流れ始めると、「あぁ、これこれ!」となんだか懐かしいものが込み上げてきました。そして、照明が落ち、会場のドアが閉鎖されるといつものSEが流れて来て、ざわざわと人が立ち上がり出す。荒々しいSEの音が、ザラザラとした感触で心臓を逆撫でるので、否が応でも興奮してしまいますね。

ここから先、披露された楽曲については「2.セトリ」の章でお話するので、ここではまず雑感を。

まず第一に良いな、と思ったのは「ライブハウス!」というところです。会場であるZepp Yokohamaをライブハウスと言って良いのかわかりませんが、音の感じは上述の東京国際フォーラムとは異なり、かなりパキっと、ジャキジャキっと、ライブハウスっぽい感じでございました。とても生々しい音に1音目から高まります。

序盤はかなり音に切れと生々しい冷たさがあったのですが、ライブが進むにつれて次第に会場の温度も上昇し、音が箱に馴染み出すような感じがありました(おそらくは私の耳がいい塩梅で疲れだしてきただけなのでしょうが)。TKのギターの歪み具合が心地いい!照明も鮮やかで、曲の展開に合わせてレーザービームのようなぎらつき、包み込むような淡い色合い、くるくると回り出すライティングに、視覚的にも大変楽しめました。

細かいセットリストは後で詳しく書きますが、新曲の「竜巻いて鮮脳」にイメージが繋がるような楽曲が多かったと思います。「竜巻いて鮮脳」の楽曲レビューもいずれやらなければと思っているのですが、荒々しい黒い夜の海上、遠くから雷雲が近づいて来る…そんなイメージが楽曲冒頭にはあります。したがって、ライブの前半はそんな時雨の「海」や「水」というイメージに近い楽曲が多く演奏された気がします。イメージカラーは「青」で、何となくアルバム「just A moment」を彷彿とさせます。じめじめとして、暗雲が頭上を覆う日が多いこの梅雨の時期にはぴったりだなと思わされました。

ライブ後半は割と、そんなイメージから飛び出して、お馴染みの定番曲を含めて非常に盛り上がる、熱い楽曲が多かったです。ひたすらにぶち上がりました。全体を通して、私の好きな楽曲や、「ライブ映えするから演奏して欲しいけど、あんまり見れない…」という楽曲が多かったように思います。ちょっと意表を突くようなセットリストでもあったので、割と長いこと時雨ファンをしている私にとってはもう涎が出まくりでしたね。

大学生の頃から聴き続けているので、「竜巻いて鮮脳」のコンセプトでもあった「あの頃の感じ」を私も思い出し、感慨深く、それでいていつも通りの熱いライブにとても満たされる想いでした。延命公演(追加公演)も発表されたので、チケットを取ろうかちょっと思案中です。

 

2.セットリスト(細かく感想を)

もうSEから気分が高まっておりましたが、今回は上述の通り「意表を突くセットリスト」という感じがしているので、そういう意味でも全体を通して高まりました。これからライブに参加される方は、以下のネタバレは見ずに行かれることを強くお勧め致します。

 

M1. Missing ling

SEが鳴り止んでから、TKのギターがジャラ~ンと鳴らされます。まず、この段階で「なんかいつもと違うぞ!」となりました。重たく、暗いコード。そして、徐々にハウリングが鳴り響き…「Missing ling」のイントロがかき鳴らされます。個人的には意表を突かれ過ぎて、変な声が出そうになりました。2013年初のワンマン武道館ライブ(あれは確か10周年記念でしたね)のラストに演奏されて以来、私はずっと聴けていませんでした。白く眩いライティングとギターの轟音がフラッシュバックしました。あの時はラストの楽曲でしたし、「Missing ling」自体やはりラストの楽曲というイメージが強かったので、大変驚きましたね。

もうこの選曲で「今回はだいぶ気合い入ってるな」と。そして、1曲目からまさかのフィナーレ的轟音のギターソロが聴けて、もう何が何やら訳がわからなくなってしまいました。うん、控え目に言って最高でしたね(笑)。

 

M2. laser beamer

緑色のレーザーっぽいライティングと、ぴゅんぴゅんというギター音が印象的な楽曲です。1曲目の「Missing ling」の余韻が抜けきらないまま、「もう追いつけないよ!」というこの展開に胸が高鳴ります。そして、この楽曲はやっぱりライブで聴くと、ギターがなおエグイです。もちろんソロのぴゅんぴゅんも凄いんですけど、Aメロ歌いながらの鬼カッティング。もうゴリッゴリで、ちょっと異次元です。

そして、この楽曲は3年前のGolde Fake Thinkingで聴いたときから思っていたのですが、終盤のスネアがなんか可愛いんですよね(笑)。決して批判ではないのですが、「t透明と 透明と 透明と 透明を」の辺りで盛り上がるはずなんですけど、なんかスネアの「ポンっ」という音が異常に際立って可愛く思えてしまいます。これ、私だけですかね(笑)。

まぁ、そこから終盤の追い込みはやはりゴリッゴリなので、もちろん盛り上がりました。

 

M3. abnormalize

PSYCHO-PASS繋がりで、この定番曲。もう曲が始まる前の、ジャリラリ~ンというギターのコードでこの楽曲が来るのがわかってしまいますね。生で聴くと、イントロのギターのフレーズがより複雑に聴こえて、よくこんなのばっちりリズムに合わせて弾けるなぁと思ってしまいます。TKと345のハモリや掛け合いが美しくて、とても素敵です。

まず間違いなく盛り上がる楽曲ですし、この曲もまた終盤にギターソロがあって、そこも聴きどころの1つ。「laser beamer」からのスピード感を受け継いで、さらに遠くへと連れて行ってくれます。

 

M4. JPOP Xfile

昔は定番曲というイメージがありましたが、なんかこうして聴くのは久しぶりな感じがします。3年前のGolde Fake Thinkingでも演奏されていたはずなんですが。というわけで、久しぶりに聴く大好きな楽曲ということに、もうそれだけでワクワクが止まりません。

イントロの無骨なドラムもたまんなくカッコイイんですが、なんか以前よりもサビでのドラムのタイム感(走り加減)が凄く良くなっている気がしました。「君の名前なんだっけ」からのところです。そのおかげかとても盛り上がりましたし、フロアもみんな激しくノッっており、演奏している本人たちも楽曲終わりにフリーのアウトロを設けていたので、これはおそらく自他ともに認める素晴らしいパフォーマンスだったと思います。なんか改めてこの楽曲が好きになりました。

 

M5. DISCO FLIGHT

もう1つ前の「JPOP Xfile」が盛り上がりに盛り上がり、「フリーのアウトロから続けざま」という感じだったので、かなりテンションが上がりました。この曲はイントロのベースから、ギターのフレーズ…もう反則ですよね。中盤のギターソロも相変わらずエグイし。

そして、言わずもがな、この楽曲はとにかく「ドラム」です。ドラムのフレーズがとにかくカッコイイ。だからなのかわかりませんし、時雨のファンの音楽センスが高いということなのかもしれませんが、サビの「感情に入り込んだ空のリズムは」という箇所と「もう少しだけ見えないところで」の箇所で、みんなのハンズアップ(言葉合ってる?)のリズムの取り方がちゃんと異なっているんですよね。リズムの16ビートと8ビートの切り替わりに合わせて、きちんとノリを変えているのが凄いなと思いました。

今回のライブでようやく発見して、密かに「おっ」となっていました。また、脚を怪我されていたピエール中野さんも、ラストのツーバスを問題なく踏んでいたので、おそらく完治したのかなと思い安心しました。

 

M6. a 7days wonder

これは私の大好きな楽曲。特にライブバージョンは音源よりもダンサブルになったり、ギターソロがカオスだったり、とにかくカッコイイ。時雨ってどうしてもアップテンポな激しい楽曲が注目されがちですが、こういうミドルテンポな楽曲も本当に素晴らしく「聴かせる」んですよね。TK fromでは「Signal」がライブでは大好きですし、歌メロの美しさやギターのノイズが心地良いんですよ。ましてや、時雨本体では345の清らかな歌声も堪能できますしね。

この素晴らしい楽曲では、またライティングも本当に素敵でした。海底を思わせるような滲んだ深い青の色が、おそらくは終盤に演奏されるであろう「竜巻いて鮮脳」の嵐を予感させ、そんなところも最高でした。印象的なベースフレーズもカッコイイところですが、この楽曲は意外とギターが訳の分からないアルペジオを奏でていたり、ドラムの盛り上げ方が終盤重要になって来るので、本当に聴きごたえのある1曲だと思います。

 

M7. a symmetry

最初の1小節くらいは演奏されて何の曲かわかりませんでした。が、すぐに「これは!」となり、もうかなりテンション上がりましたね。私自身、時雨の楽曲を好き勝手並べて聴くときは、「a 7days wonder」と近いところで聴くので、本人たちが同じようなイメージを持ってくれているようで嬉しかったです。この楽曲もイメージは「青」で、そして言わずと知れた「ライブがヤバイ楽曲」です。まぁ、音源も素晴らしいんですが。

YouTubeかなんかでライブ映像が違法アップロードされていた気がするのですが、これがまたエモーショナルで素晴らしい(違法アップロードは素晴らしくありませんが)。Aメロあたりの、ボーカル・ギター・ベース・ドラムのポリフレーズ(複数のフレーズが折り重なっている感じ)が堪らなく、ライブでもそれをほぼ再現しちゃっているのが凄いです。みんな凄く細かくリズムを合わせられるんだなぁ、と。

そして、もちろん「今この瞬間にみんな嫌いになって」の辺りで、もうTKが歌うわ弾くわのトランス状態に突入してからの盛り上がりは「ぱない」です。TKと345の胸を締め付けるような掛け合いから、ラストはTKがほぼ叫ぶように歌う感じ。そして、そんなに盛り上げたのに本当のラストでは、とにかく情緒的に静かに締め括る…あぁ、もう最高ですね。

 

M8. Serial Number Of Turbo

今回のライブでは唯一のアルバム「#5」より。アコースティックギターに持ち替えたので、「Tremolo+A」か「Serial~」だろうなと思っていましたが、やはりバランス的に「Serial~」でしたね。既にアルバム「just A moment」からはいくつも演奏されていましたから。

この楽曲、かなり好きなんですよね。とても穏やかで、儚くて。ほとんどTKが歌う楽曲なんですが、ところどころで345が出てきたり、ちょっとハモったり、その瞬間にまたすごい色彩感が出て美しいです。そして、サビ含め全体的にゆったりとした感じかなと思っていると、2番辺りから結構リズムも細かくて。その辺を事も無げに余裕で演奏する3人の演奏力が凄いなぁ、と思わされます。

ここまでぐうーっと盛り上がって来ていたので、とても良いクールダウンにもなり、ライブのメリハリを付けてくれる楽曲でした。

 

M9. illusion is mine

「Serial~」の雰囲気を受け継いで、これまた美しい曲を。前半はギターしかり、ドラムしかり、本当に音色が多彩でTKの美しい世界観を余すところなく表現してくれています。ライティングも「青」ベースで、本当に水の中にいるような感じ。それでいて、サビでは眩い光を感じさせてくれます。

ギターソロは水が止めどなく溢れ出る感じ。345のさらりとした歌声は空間を切り裂いて、時雨がただ激しいだけのバンドではなく、本当に繊細でセンチメンタルな優しさをも持つバンドなのだと感じさせてくれる素敵な楽曲です。終盤転調してからのドラムの手数はもうみんな大好きで、絶対的に盛り上がってしまうポイント。TKと345の掛け合いも相変わらず素敵です。アウトロのミュートしながら深いディレイをかけてのギターのアルペジオはもう完全に水中の泡そのもの。

 

MC by ピエール中野

脚の怪我があったからか、ドラムソロではなく、完全に喋りだけのMCでした。アクリルスタンドのお話をされていて、「買えば良かったな~」とちょっと後悔。でも、まだハロプロアイドルのアクリルスタンドも買っていないので、とりあえず我慢しておきます。ちなみに、MCの間、TKと345も退場せずにピエール中野さんのMCを黙って聞いていました。いつもドラムソロの間とかは袖に戻っているので、なんかちょっとレアな感じがしましたね。

また、MCが始まるとすぐに会場のドアが開けられて、換気がなされていました。感染症対策の一環だとは思うのですが、とにかくライブ会場は熱気がハンパなくて汗ダラダラだったので、涼しい風が供給されてとても心地よかったです。

 

M10. Beautiful Circus

MCのほんわかとした雰囲気から一気に1音で、また時雨のビビッドな世界に引き戻されました。心なしかBPMも原曲より速い気がして、ぐわんと盛り上がりました。何となくここから一気にギアが入った感はありましたね。前半はまだ演者も観客も会場も、微妙な硬さがあったのですが(それが当たり前)、ここから一気にそういった硬さなんか吹き飛ばして、ドライブ感満載のライブへ。

にしても、3人ともこの難曲をよくもこれだけブレずに弾けるものだと…本当に凄いです。カッコイイです。

 

M11. 想像のSecurity

ギターを持ち換えたので「何かなぁ」と思っていると、ギャインギャインのイントロ。んー、高まりますなぁ。もうギターが鳴いていました。吠えていました。荒っぽいTKの歌唱も昔懐かしいあの頃のままで、もう盛り上がらざるを得ん!って感じでした。

「今この二人はどこかで見たような」のところはもうMVそのままの鬼手数のドラム、32ビート。緊張感が溜まりません。ラストサビは、TKの緊迫パートと、広がりを感じる345のキャッチーパートが繰り返され、もう大好きです。

言葉が少なくて申し訳ございませんが、それだけ疾走感が素晴らしく、音が、リズムが、BPMが、気迫が…どこをどう取っても最高のパフォーマンスでした。

 

M12. ハカイヨノユメ

まじでこの曲は凄い、です。イントロフレーズも含め、ありとあらゆる箇所でのTKのギターの正確さがえげつないと感嘆させられます。どうしてあのスピードのフレーズやアルペジオを、あれだけタイム感まで完璧に、かつ綺麗な音で弾けるのか。先日、クラシックギターの泰斗であられる村治佳織さんのコンサートにも行ってきて、「やっぱギタリストってすげぇな」と思わされましたが、それとほぼ同じような衝撃を受けました。本当にリズムと音質がブレない。こんな荒々しい楽曲なのに、ギターが綺麗過ぎて引きました。そして、そんなエグイギターを追い詰めるように、ドラムもまためちゃくちゃ緊迫した、「ここしかない!」というタイミングでキメを入れて来るんですから、あらためてバンドとしての異常性を感じますね。

シャウトのところのハーフテンポは盛り上がらざるを得ないポイントですし、やっぱり時雨はTKと345の掛け合いだよなぁ、と大満足の1曲でございました。

 

M13. Telecastic fake show

あぁ、もう楽曲前の長~いギターの適当なコード鳴らし、「カポ2」というところから確定演出が。「来るぞ…来るぞ…」と思っていると、やっぱり来るんですね。「Telecastic fake show」。

これはもはやあんまり感想なんてなくて…というか、そんなこと考えている余裕もなくとにかく無条件に盛り上げられます。明らかに前半戦とは異なる、今まさに燃え尽きようとしているような焦燥感を感じさせてくれるパフォーマンスでした。普段はあまり走ることのなく、余裕を感じさせてくれる345のベースも心なしか、ギターとドラムに引っ張られて走っているような感じ。今の時雨がイヤモニでクリック音を流しているのかわかりませんが、これだけ荒っぽいアンサンブルだと、本当にバンドらしい良さがたっぷり味わえますね。

走っているんじゃない!これが僕たちのグルーヴなんだ!

 

MC by 345

最初はTKが話してくれました。最前列の人たちがめちゃくちゃ照明に照らされていることが気になっていたようです。345も「すごい青くなってると思って」と笑いを誘ってくれました。そして、すぐに「ベースボーカルの345さんです」とTKから紹介があって、いつものたどたどしい物販紹介が始まりました。

うん、345さんはいつまでも可愛いなぁ。「でっどいず、あらいぶ、びっぐてぃーしゃつ」、「える、てぃー、えす…てぃー、しゃつ」と英語を喋りにくそうにしている感じもたまんないなぁ。

ちょくちょくピエール中野さんにちょっかいを出されたり、TKにMCを回してもすぐに無言で返されたり、そんな「らしい」やり取りを微笑ましく眺めながら、最後のMCが終わります。

 

M14. am:345

この曲も、1曲目の「Missing ling」と同じく、初ワンマンの武道館公演が個人的に印象に残っている楽曲です。久しぶりに聴きましたが、やっぱり良い曲ですよね。なんか浮遊感だけでなく、ノスタルジックな雰囲気を持っている不思議な楽曲。アルバム「inspiration is DEAD」は「夕景の記憶」も含めて、なんかノスタルジーのようなものがあって、自然と涙が流れそうになります。「世界 消えて 無重力の遊泳」という短くも印象的な歌詞が、多面的な輝きを見せ、奥深く、味わい深く、遠くまで私たちを連れて行ってくれます。

3拍子になるところが、私はやっぱり大好き。そして、そこからの静寂も。

1番最後はあの頃の武道館公演と同じく、ミラーボールを回して。時雨では珍しい演出ですし、本当に強く強く記憶に残っておりました。それが再現されていて、楽曲自体の世界観とダブルパンチでノスタルジック。時雨の楽曲を聴いて癒されるというのも珍しい経験ですが、なんかずっと時雨が好きだったなぁと改めて思わされましたね。感慨深かったです。

 

M15. 竜巻いて鮮脳

ラストはこの曲(先日公開となった最新曲)。まぁ、そうなるだろうなと思っていたので、「待ってました!」という感じではありました。みんなまだ聴きなれていないのか、前半は若干ノリにくそうな感じも漂っていたのですが、さすがにラストに向けて徐々にフロアも引っ張り上げられていきました。

バッキバキのMVも最高にカッコ良かったですが、それと同等か、いや間違いなくそれ以上に熱いパフォーマンスを魅せてくれました。特にドラムが倍にテンポを上げるところは、得も言えない高揚感がありましたね。

ライブの前半から暗雲立ち込める荒れ模様の海をイメージしていたので、ようやく竜巻が下りて来て、全てを薙ぎ払ってくれ、もう大満足でした。ちょーかっこいい!この疾走感、やっぱり時雨だ。未だに失われず、それを持続し続けてくれている。本当にありがとうございます。

楽曲が終わってもギターのノイズがしばらくは拍手喝采の中で会場に鳴り響き、ノイズが完全に鳴り止むと同時にまた巻き起こる拍手。そこに「daylily」のSEが被さっていきライブ終了です。素晴らしいライブをありがとうございました。

 

3.ライブが終わって

本当は「傍観」も聴きたかった!というのが、まぁ、仕方ない本音ですね。でも、「竜巻いて鮮脳」もめちゃくちゃ盛り上がったし、「傍観」の無いライブではありながら満足感も非常に高かったです。おそらく私がそう思えたのはこれまで沢山時雨の楽曲を聴いてきたからでしょうし、何と言っても「竜巻いて鮮脳」のイメージを頭の中で固めていたからだと思います。

イントロの不穏な感じから、(何度も繰り返していますが)暗い空と海をイメージしていたので、「a 7days wonder」から「illusion is mine」までの一連の楽曲を、「竜巻いて鮮に脳の序章なのだ」と捉えられたのが感動を大きくしてくれたように思います。最近の天気の悪さから「just A moment」や「still a Sigure virgin?」辺りのアルバムを聴き返していたのも大きいです。

序盤でも書きましたが、ライブハウスというのも非常に良かったですね。時雨の荒っぽいパフォーマンス、特にエグ味たっぷりの ギター音を心行くまで堪能できたと思います。TK fromはホールコンサートが多いのですが、どうしてもホールって音がぼやける気がします。味わい深い雰囲気は出るんですが、あのTKのギャインギャイン鳴くギターはぜひともライブハウスで堪能したいところです。ライブ終演後も心地良い耳鳴りが続き、「これぞ幸福感」という感じでした。

久しぶりの時雨のライブ、最高でございました。

 

最後に…

Zepp Yokohamaを後にして。横浜の美しく綺麗な街。夜風が涼しく、高揚した心と体を心地良く冷ましてくれます。鞄からイヤホンを取り出して、「時雨を聴こうかな。でも、時雨はもう一旦大満足だしな」と、結局D.A.N.の最新アルバムを聴きました。

駅までの道のりで、「Take Your Time」、「Overthinker」、「No Moon」を聴きます。素晴らしくChillしてくれるこの街並みに、よく似合います。

明日は仕事なので、もう寝ないと。そんな風に急いた心もあるのですが、どうしてもこのライブレポートの記事を書くのが楽しくてやめられません。楽しい時間は長くは続きませんが、それでもこうしてたまに心の底から感動して、興奮させてくれる時間があるだけでも、生きていて良かったと思います。

これからも凛として時雨を聴き続けていきたいと思います。ついつい買ってしまった最高にイカしたステッカー、どこに貼ろうかな。