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音楽や小説など

「宮本佳林 LIVE 2021~ダリア~ 2021.9.4 NHK大阪ホール」ライブレポート

ハロプロ卒業生で現ソロアイドルの宮本佳林ちゃんのライブに参戦してきたので、ライブレポートを残しておきたいと思います。

コロナ禍の中でライブに参戦するというのはなかなか勇気がいることですし、人によっては批判をしたくなる方もいるでしょう。それはそれで仕方のないことではありますが、1つ断っておきたいのは、ハロプロ関連のライブは、消毒・検温はもちろん、入場者数制限(前後左右の席が空席)、規制入退場、追跡登録等をしっかりしているのでかなり徹底して感染症対策を行っているということです。加えて、観覧中の歓声は禁止で観客もそれをかなり真面目に守っているので、安心感は高いですね。そんなわけでこんなご時世にライブ参加した後ろめたさを小さくしつつ、ハロプロの力になれればと思いながら、この冒頭を書かせていただいております。

そして、これは完全に個人的なことですが、実はこの記事は1回書き上げていたのですが、何故か投稿するタイミングで白紙で投稿されてしまい、完全に1から書き直しております。履歴等も全部真っ白になってしまい、バックアップも無く、かなりテンションが下がっています…故にちょっぴり気合いが入っていない文章になってしまうかもしれませんが、その点ご留意いただければと思います。

 

 

1.セトリ

1.優柔不断だね、Guilty

2.タメライ

3.少女K

ーMC1

4.イイ女ごっこ(新曲)

5.Happy Days(新曲)

ーMC2

6.赤いスイートピー(カバー:松田聖子

7.やっちまいな(カバー:森高千里

8.ミステイク(ハロプロ研修生ユニット)※佳林ちゃん抜き

ーMC3(ハロプロ研修生ユニット自己紹介)※佳林ちゃん抜き

9.Go Your Way(ハロプロ研修生ユニット)※佳林ちゃん抜き

10.彼女になりたいっ!!!

ーMC4

11.若者ブランド

12.愛してるの言葉だけで

ーダンスパフォーマンス

13.どうして僕らにはやる気がないのか

14.Va-Va-Voom

15.落ちこぼれのガラクタだって

16.この世界は捨てたもんじゃない

MC5

17.氷点下

<アンコール>

18.未来のフィラメント

ーMC6

19.天まで登れ!

 

2.ざっくり感想

ライブに参戦して、「どんな感じのライブだった?」と聞かれたとき、私は「ソロアイドルとしての宮本佳林が堪能できたよ!」と答えると思います。まずはソロ曲が多いセトリなので、ハロプロ及びJuice=Juice卒業後もある程度佳林ちゃんを追っている方じゃないとハロヲタでも「知っている楽曲が少ない!」となるかもしれません。しかしながら、Juice=Juiceの楽曲も2曲やってくれましたし、何と言っても佳林ちゃんがリアルタイムで関わっていたハロプロ研修生の楽曲も2曲やってくれたので、私のようにずうっと佳林ちゃんを追っているヲタにとってはかなり満足のいくライブだったのではないでしょうか。唯一、コピンクス*の楽曲がなかったので、それはちょっと寂しかったですが。松田聖子さんのカバーなどもあり、佳林ちゃんの趣味を堪能できる一面もありましたね。

と、こんな風に佳林ちゃんの色々な面が観られるセトリだったわけですが、特にソロ曲では佳林ちゃんのソロアイドルとしての自由な表現力が堪能できたように思います。グループでやっているときはやっぱりある程度表現に制約がかかるものなんだなぁ、と逆説的に実感しましたね。1曲の中でも緩急をつけたり、声音の使い分けであったり、細かいところでは髪を振り乱してパフォーマンスする姿だったり、「やりたいことを詰め込んでいるなぁ」という印象でした。

そして、ここまでちゃんと触れてきませんでしたが、一緒にパフォーマンスしてくれていたハロプロ研修生ユニットの4人も素晴らしかったです。恥ずかしながら、私は研修生には疎くて、ちゃんとパフォーマンスしているのを観るのは初めてだったのですが、みんなレベルが高くて良かったです。個性も感じられましたし、遠目ながらみんな可愛かったです。

これはちょっと失礼なことかもしれませんが、ハロプロ研修生ユニットの4人と佳林ちゃんのパフォーマンスを比較することでも、「やっぱ宮本佳林はすげぇな!」と思うことができます。さすがにダンスのパワフル度合はダンスに集中している研修生ユニットの子たちの方が上回っている場面も多いですが、佳林ちゃんは歌いながらでも見せ方がずば抜けていて、しなやかな体使いや要所要所でのキレはまさに玄人という感じでした。ライブで表現することが好きなんだな、と伝わって来るのも佳林ちゃんの良いところです。

最後に言っておきたいのは、ライブを終えて会場を後にするとき「元気もらえたな!」と胸が暖かくなったということです。佳林ちゃんが「元気を与えたい!」と強く思っているからこそ、こういう気持ちになれたのだと思っています。その健気で熱い気持ちが伝わってきたことが何よりも嬉しかったです。

 

3.ダリア(ツアータイトル)について

「ダリア」についてネットで調べると、開花時期が夏から秋にかけてということでまさに今の時期になりますね。前回ツアーの「アマリリス」は春から夏にかけてのお花なので、時期に合った花の名前をツアータイトルにしているのだということがわかりますね。ちなみに「ダリア」の花言葉は、その見た目の通り「華麗」や「優雅」、「気品」などがあるそうです。

 

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ライブ開幕時、緞帳がゆっくりと上がる中、佳林ちゃんは1輪のダリアを手に持ちながら座った格好でポーズを決めていました。そして、ショパンの「英雄ポロネーズ」の流麗なフレーズが流れる中、ステージ中央の花瓶にその1輪のダリアを活けるシーンからライブがスタートしました。黒くスタイリッシュなテーブルの上、ガラスの花瓶に活けられた美しいダリアは最初のブロック(1曲目~3曲目)までステージ上で佳林ちゃんのパフォーマンスを見守っていました。特に最初のブロックの楽曲は、「ダリア」の雰囲気にマッチするような大人っぽく、艶やかさのある楽曲だったと思います。最初にツアータイトルの「ダリア」を回収するようなパフォーマンスだったので、観ていて心地よかったですね。ツアーに向けての確固たる意志が感じられるのは素敵なことです。

MCを挟んで4曲目からは、一旦「ダリア」はステージの後ろに片付けられ、ライブは新たな展開を見せることになります。4,5曲目が新曲だったので、MCで軽く触れる必要があったのかもしれませんが、特に4曲目の「イイ女ごっこ」は「ダリア」の雰囲気にもよくマッチする、マイナー調の大人っぽくてお洒落な楽曲だったので、4曲目までを1ブロックとしても良かったのかとも思いますね。ただ、最初のMCで挨拶をすることを踏まえると、新曲の話題を入れるのは内容がごちゃっとするから仕方なかったのかなとも思います。こうして落ち着いて記事を書いていると腑に落ちますね。

それからしばらくは「ダリア」というタイトルからは離れて様々な楽曲が続きます。5曲目の新曲「Happy Days」は元気で軽やかな感じの楽曲だったので、ここからはライブの雰囲気は一変しました。カバー曲のブロック、ハロプロ研修生ユニットのパフォーマンスと続き、最後は佳林ちゃんも合流して「彼女になりたいっ!!!」。

そして、また佳林ちゃんのソロ曲をやった後に、ダンスパートが始まるのですが、ここで再び「ダリア」が登場します。この花瓶に活けられた「ダリア」の傍から始まるダンスパートが雰囲気Maxで素敵でした。ダンスもかなりカッコ良かったです。そして何と言っても、それに続く初のソロ曲「どうして僕らにはやる気がないのか」はシングルCD収録予定と思われる新しいアレンジで、佳林ちゃん渾身のパフォーマンスも相まって、最高の時間でした。個人的に「ダリア」という花からは生々しい生命力を感じるのですが、その生命力というものを強く感じる1曲でしたね。

ここで「ダリア」もしっかりと退場。「ダリア」の登場タイミングをよく考えることで、ステージセットを楽曲雰囲気に合わせて変えているような効果があり、きちんとステージ構成を意識しているんだなと思わされ、そのこだわりが素敵でした。

でも、いつか「イジワルしないで抱きしめてよ」、「裸の裸の裸のKISS」、「SEXY SEXY」などの楽曲も使いながら、全曲「ダリア」っぽい楽曲で固めたライブも見てみたいですね(笑)。こういう路線の楽曲は単純に私の好みでもあるので。

 

4.ハロプロ研修生ユニット

米村姫良々ちゃん、石栗奏美ちゃん、窪田七海ちゃん、斉藤円香ちゃんの4人が参加してくれましたが、申し訳ないことに私はまだ彼女たちのことをよく知らなかったので、今回はとても良い勉強になりました。というわけで、初心者の私なりに4人の印象をまとめたいと思います。

米村姫良々ちゃん:注目の研修生ということで前々から話題になっていましたが、やっぱりそのはっきりしたお顔立ちが強いですね。歌声は若干ピッチが不安定なところがあったかもしれませんが、ちょっと硬質でパキっとしたお声なのでとても印象に残りました。ダンスに関しては本当にシルエットが素晴らしく、同じ振りをしていてもアイドルらしい魅せ方がとにかく上手でした。どこか浅倉樹々ちゃんを彷彿とさせますね。とにかく目を惹く子でした。

石栗奏美ちゃん:アイドル三十六房でぱいぱいでか美さんが「ライブジャンキー」と評しているだけあって、パワーを感じさせるパフォーマンスが良かったです。背が高く、手足も長い印象ですが、それがバシバシ動いているのは見ていて気持ちが良いです。歌声もダンスも迫力があるので、岸本夢乃ちゃんっぽさがありますかね。ギャクを披露するタイプには見えませんでしたが、実際のところどうなんでしょう?

窪田七海ちゃん:ツインテールが可愛らしく、1番ぶりっ子的な感じが似合う子でした。ぴょこぴょこ感と言ったら良いのでしょうか。サイドステップも誰よりも膝を内側に曲げていて、全力でアイドルをやっているのが素敵でしたね。歌もダンスも安定して上手だったように思います。現役ハロプロアイドルだと岡村美波ちゃんらしさを感じました。絶対一定数のファンを獲得するタイプですね。

斉藤円香ちゃん:4人の中では1番素人っぽさが残っている子です。薄めのお顔ですが、品があってとても可愛いです。個人的には1番タイプでした。歌声もMCの声もほんわかしていて、そんなところも可愛らしく、踊りもまだまだ試行錯誤という感じですが、だからこそ成長が楽しみですね。そういう意味で、初期の植村あかりちゃんっぽさがあると言えるでしょうか。

4人とも既に個性があって、BEYOOOOONSからの世代は本当に自己プロデュースが上手だなぁと思いますね。MCでは「好きな先輩は〇〇さん。っと、宮本佳林さんです!」とみんなで笑いを取っていて、おそらくは佳林ちゃんの指導もあったのですが、初々しい感じも残していて素敵でした。自分たちの楽曲だけでなく、佳林ちゃんとのパフォーマンスにも一生懸命取り組んでくれていて、佳林ちゃんヲタの私は嬉しくなってしまいました。きっと今後贔屓目に応援していくでしょう。刺激をありがとうございました。

 

5.見どころ

とりあえず新曲の「イイ女ごっこ」はだいぶ好みでした。重ためでテクニカルなビートに切ない感じの短調っぽいメロディが重なっており、「ダリア」というツアータイトルに相応しい雰囲気がありました。Bメロのサビ前に一瞬だけ明るく長調っぽいセクションがあるのですが、その明るさもどこか切なさを帯びていて、そこに続くサビが引き立たされていました。間奏のダンスもカッコ良かったですね。佳林ちゃんも気持ちを乗せやすいみたいで、ピッチが怪しくなるほど声を張り上げる部分もあったのですが、メロディラインには流麗なところもあって、そこでは艶やかな声音を活かしており、1曲で色々な表現が観られる素敵な曲でしたね。同じく新曲の「Happy Days」は対極的に明るく軽やかな楽曲で、可愛く元気な佳林ちゃんを堪能できました。

赤いスイートピー」や「やっちまいな」といった佳林ちゃんが好きそうな80年代アイドルのカバー曲を見られるのも、佳林ちゃんのソロコンサートならではですよね。こうやって往年のアイドル楽曲をガチのクオリティで歌い継いでいる子がここにいるんだよ、ということを世間にも知って欲しいと思ってしまいますね。ソロになって好きなことが思うようにできるようになって良かったね、と心から思います。Juice=Juiceの佳林ちゃんももっと見ていたかったですが(笑)。ないものねだりとはこういうことでしょうか。

そして、佳林ちゃんのソロライブと言えば、この2曲。「どうして僕らにはやる気がないのか」と「氷点下」ですね。

「どうして~」の方はもう言わずもがな、佳林ちゃんのソロ初曲で配信音源にもなっていますね。2021年12月1日の佳林ちゃん23歳の誕生日には、初シングルCDの1曲として、新しいアレンジになって発売される予定です。ステージを広く使い、縦横無尽に動き回り、ピッチなんてものはそこそこにとんでもない熱量を込めたパフォーマンスが胸を打ちます。グループアイドルではここまでやったら破綻してしまうと思いますが、ソロだからこそリミッターを外してどこまでも貪欲に表現に魂を込められるのでしょう。アップフロントの中の人、橋本さんも「宮本佳林はなんかエモい」と言っていましたが、確かにその通りだとこの曲を聴くたびに思います。圧倒的なスキルを持つ佳林ちゃんがそれを投げうってまで、熱量に振り切ったパフォーマンスにこちらも息が苦しくなるほどです。思い出しても鳥肌が立ちますね。

対して「氷点下」は、繊細な表現が胸を締め付けてくれる良曲です。顔をドアップで観て、その些細な目線の変化まで追いたくなるような。佳林ちゃんが極めたアイドルとしての表現を極限まで駆使しているわけですが、今回はそこに深い情念のようなものまで乗っかって神憑り的なパフォーマンスでした。いつも最後の「でも…」のところでどんなニュアンスの表現を見せてくれるのか楽しみにしています。本公演では落ちサビのところからほとんど泣き声のようで、音程は最低限守っているという感じで、聴いている側が苦しくなるほどでした。遠い席だったのであまりよく見えなかったのですが、涙こそ流れていないものの目は潤んで表面張力ぎりぎり、声も震えていてその没入具合が最高でしたね。

アンコール明けの「未来のフィラメント」の2番は音源と同じように、声音をイケボイスとロリボイスを使い分けていて、器用なパフォーマンスが見られました。この声音の使い分けは佳林ちゃん自らレコーディング時に進言したらしく、そうやって佳林ちゃんの趣味や発想をフルに活かせているのも素敵ですよね。卒業コンサートで歌った記念碑的なこの曲をまた聴くことができて嬉しかったです。

あとは、やはり「彼女になりたいっ!!!」と「天まで登れ!」ですね。「彼女になりたいっ!!!」はMCでも話していましたが、佳林ちゃんの声が初めてCDになったつんく♂さんの楽曲です。それをハロプロを卒業した今、研修生ユニットと一緒に歌ってくれているのがとても感慨深いです。つんく♂さんが言うところの「歯を食い縛りながらも元気っ子」だった時代を彷彿とさせる若々しさで、きゅるんきゅるんな歌声が最高でした。MCでは、「歌詞がなかなか覚えられなくて、リハーサルでもずっと成功しなくて」という話から、「当時は田辺奈々美ちゃんに頼ってばかりだったから」とあの田辺奈々美ちゃんの名前も出て来て、懐かしい気持ちにさせられました。ライブ最後の「天まで登れ!」は、佳林ちゃんがJuice=Juiceに選ばれてから研修生と一緒に歌った楽曲で、これも研修生ユニットと歌っているのが非常にエモかったです。会場全体でやったウェーブも何だか心が温まりました。

 

6.コロナ禍で

最後のMCでも丁寧に喋ってくれていましたが、楽しい時間を作れるように心を込めていることが伝わって来て、素敵なライブでした。最初の方のMCでも、声援ができない分、クラップで盛り上がってくれてもいいし、じっと見てくれてもいいから、とにかく楽しんで欲しい旨を喋ってくれていて、とにかく佳林ちゃんのそのライブに対する健気な想いに胸が熱くなりました。色々と厳しい状況ですが、こんなご時世だからこそ、佳林ちゃんなりに楽しい何かを伝え、元気を与えたいと思ってくれているのがビシビシ伝わってきましたよ。いつもパフォーマンスで信頼関係を作り上げたいと言ってくれていて、今回もその通りのライブでした。

最後の「天まで登れ!」の前には、「この曲でみんなで1つになりましょう!」と煽って、パフォーマンスの後にはマイク無しで「ありがとうございました!」と元気に叫び、そして長時間にわたって客席に向かって手を振ってくれました。きっとライブを主宰する側にもどこか後ろめたさのものはあるのでしょうし、だからこそせっかく来てくれた人たちには元気を与えたいと思ってくれているのでしょう。そういった誠意の込められた公演に参加できるというのは、本当に胸が暖かくなりますし、明日への活力を貰うことができます。

改めて、ここで私からも感謝を述べたいと思います。

元気と感動をありがとうございました!

 

最後に…

私個人のことですが、昨年の10月に適応障害という病名がついて、今が9月ですからようやく1年が経ちました。この1年、とても長かったです。今は仕事にも無事復職して、こうして心身の調子を気にすることなくライブを楽しめるまでに回復したのは本当に喜ばしいことです。

本当に調子が悪いときは、ほとんど何も感じることができず、ただ苦しみの沼に溺れているだけでした。アイドルからも元気を貰うことができず、しんどかったです。こうしてアイドルのライブに行って、元気を貰って、また明日からもしっかりと生活を営んでいこうと思える…それが尊いことだったのだなと今になって実感できます。

またライブに行きたいと感じさせてくれるライブに今出会えたのは本当にラッキーだと思いました。こんなご時世ですが、次のライブに参戦することを楽しみに日々をちゃんと生き続けたいと思います。

これからもどうぞよろしくお願いいたします。