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音楽や小説など

適応障害と診断されまして… vol.30

適応障害と診断されて41日目(11月24日)の夜にこの記事を書き始めています。前回は少しイレギュラーに自殺未遂のときの振り返りを行いました。

 

前回

eishiminato.hatenablog.com

 

というわけで、今回は3日分の内容をざっと書いていこうと思います。

 

 

1.適応障害と診断されて39日目~アニメ「ピンポン」視聴終了~

前日にはJ.D.サリンジャーの「ナイン・ストーリーズ」の考察記事を4時間近く書き続けていたので、その疲れが残っているかとも思っていましたが、比較的体は軽いように感じました。とは言え、この日も特に予定はなかったので、1日中家でゴロゴロ。

まずはアニメの「ピンポン」を最後まで視聴しました。絵柄が独特で面白いですね。昔に観たことのあるアニメ「惡の華」と似たものを感じたので、この際ですから少し調べてみました。

惡の華」では「ロトスコープ」という手法が使われていました。私が簡単に調べたところによると、実写で撮影した映像をトレースしてアニメとして描き起こす手法ということです。ディズニーの「白雪姫」なんかも同じくロトスコープという手法を用いて製作されたもののようです。そう言えば、確かに「白雪姫」も独特の生々しさがありますよね。

しかし、「ピンポン」ではロトスコープは使われていないそうです。確かに、映像の生々しさはあるものの、アニメにも関わらず漫画的なコマ割りが用いられていたり、現実的には卓球台の数歩分の距離をダッシュで駆け抜けるような表現や、腕が伸びるような表現などは実写から描き起こされるロトスコープでは不可能ですもんね。でも、そう考えると、「ピンポン」の絵は余計に凄いと思わされます。

 

wired.jp

 

上記リンクの記事を参考にしましたが、アニメにはまだまだ疎い私にはちょっと理解できない部分が多過ぎました。

ただ、簡単に言うと、従来のアニメ制作のプロセスをテクノロジーを使ってだいぶ改変したということですね。それによって、作業の効率化も図れ、かつ原画段階の絵のタッチなどが最後まで残ったりとかなり監督のセンスが完成品にも反映されやすいようになったようです。それでこれだけ濃密なアニメ映像が生み出されたわけですね。

原作の漫画は読んだことが無いので、今度読んでみたいなぁと思いました。まぁ、なかなか漫画を揃えるのって大変なので、あまり漫画を買う習慣が私には無いんですが…

 

そんな感じで午前中は、アニメ「ピンポン」観るだけの半日。そして、午後は前回の自殺未遂の振り返り記事を書いていました。例によって1万5千字近くの分量があったかと思うので、まるまる午後を費やしたように思います。もちろん途中で休憩を入れたり、猫と少し戯れたり、ギターを弾いて気晴らししたりもしましたが。

 

夕飯は家族とステーキを食べに行きました。300g分のステーキを食べ(でも、チェーン店なんでそんなに高くないですよ)、あとはダラダラとテレビを見ながら時を過ごしました。

明日は東京に戻るのか。

そう考えると少しだけ気は滅入りましたけれど。

 

2.適応障害と診断されて40日目~東京へ・研修同期と映画鑑賞~

寝起き。今日は東京に戻る日なので、朝からだいぶ気が滅入っています。元気が出ません。でも、会社の研修同期と出掛ける予定があるので、だらだらとしてもいられません。なぜか最近モーニング娘。の子がよく夢に出て来るので、今日もまた夢の中で握手をしてくれた森戸知沙希ちゃんに勇気づけられながら荷物をまとめられました。

大学時代にはよく「現実なんかよりも夢の中の世界の方がずっと素敵だ。明日は何をしなきゃいけない、なんてことよりも、今日はどんな夢が見られるか。そう考えながら眠るようじゃなきゃ、人間としてダメだ」と考えていました。そういう考えはずっと私の中にはあったわけですが、なんと言うかここ数日は本当に夢がだいぶ私を癒してくれているように思います。ただ、こんなにもアイドルが頻出する期間は私の人生でも初めてですが。アイドルとまではいかなくても、むかし好きだったあの子とかにまた会えたら。むかし好きだったあの子とは言わないまでも、自分の深層心理の中にあるあの街にまた行けたら。現実の中にはたいして希望を持っていない私にとっては、夢こそが何よりの娯楽なのです。

と、いつも通り、話が逸れました。新幹線に飛び乗ります。

ずっと見損なっていた「新劇場版・攻殻機動隊(2015)」を視聴し、やっぱり「攻殻機動隊」は面白いなぁ、と思わされます。でも、やっぱりもう1回見直さないと、細かいディティールまでは理解しきれませんね。なので、とりあえずここでは感想を書くのをやめておきます。しかしながら、いつも通り、自己存在やテクノロジーの発達に伴う情報の並列化については色々と考えさせられるものがありました。ただ、前にちょっとした記事を書いた通り、攻殻機動隊では高度な情報の並列化が予測されている一方で、現実的には情報の細分化による共通言語の喪失の方が早く起こっているのかなぁ、と私には思えてなりません。もし、人間の情報処理能力がより高度化するそれこそ「電脳」のようなブレイクスルーがあれば、攻殻機動隊の中で懸念されているようなことも起こり得るのかもしれませんが。

 

eishiminato.hatenablog.com

 

まとまりを欠いた記事ですが、せっかく話題に出したのでリンクを貼っておきます。

 

東京の寮に戻ると、なおのこと私の気分は滅入ってきますが、だらだらもしていられません。16時に東京駅で待ち合わせて、そのまま有楽町のTOHOシネマズへと向かいます。この日に会う会社の研修同期とはもう半年以上会っていなかったのですが、ちょくちょく連絡を取り合っており、軽く私の現状も伝えていました。とは言え、詳しくは話していなかったので、とりあえずカフェで「何の映画を観るか決めよう!」という主題を決めながらも、病気の事や相手の仕事の様子の話などを色々聞いたりしました。

会社の同期に会うたびに、みんな私なんかよりもよっぽど過酷な環境で頑張っているようなので、本当に私は自分で自分が情けなくなりますね。とは言え、私だってこんなことになったのは相当運が悪かったのだとも思います。あまりにも人間としての接し方や立ち振る舞いが違う場所へと転勤させられ、しかも私には結構なプレッシャーがかかっていました。単純に前の職場を離れることに対する寂しさから気分が塞ぎ込んでいたということもあるでしょうが、何よりも私自身の「しっかりしなきゃ。ちゃんとしなきゃ。もっと頑張らなきゃ」のアクセルが全開になっていたのが原因だということはこれまでも何度も話して来た通りです。最近はようやく自分が変なモードに入り込んでいたことがわかってきましたが、半分はそれを制御できなかった自分のせいではあるものの、どうしたってそういった環境的な要因も半分くらいはあったと思わされます。もちろん、私自身の個人的な資質も多分には影響していますけれどね。

でも、今回の件で色々なことを経験出来ましたし、色々なことを考えたり、学ぶことはできました。どんな惨めな事柄からでも何かを学ぶことができる、というようなことが最近読んだ本の中に書いてあった気がします。

映画は結局IMAXで「鬼滅の刃」を見ました。原作の漫画は読んでおらず、一応アニメは半年くらい前に1周観ただけだったのですが、同期が「IMAX気になるんだよね」ということで、結局「鬼滅の刃」になりました。私1人じゃ絶対にしない選択ですが、そうやって自分では選ばないものを経験させてくれる他者の存在というのはありがたいものです。私は私1人でも充分に楽しくやっていけますけれど、たまにはこうやって全く違う景色を見るというのもなかなか良いものです。

とは言いながらも、朝早く起き、久しぶりの東京ということで疲れが出た私は開始早々うたた寝をしてしまいます…IMAXの凄いサウンドの中。若干映画のネタバレになりますが、炭治郎たちが眠らされ夢の世界に入り込むのと入れ替わるようにして、私も何とか目を覚まします。「ずっと夢の世界にいられたら」というようなことが語られる場面があり、ちょうど最近そんなことを改めて考えていた時期であっただけに、妙に共感してしまいました。ストーリー自体はさすが王道バトル漫画という感じで、映像も美しく、普通に楽しむことができました。が、適応障害で頑張れない私にとっては、最後の展開の中でスポ根的な「もっともっと頑張らなきゃ!」というセリフが頻出するのに、少し胸が痛みました(笑)。でも、私もこの適応障害という挫折を乗り越えて、煉獄さんのような柱になれたら、とも思います。いや、煉獄さんになるには、目が細すぎますね。

少し話を戻しますが、IMAXみたいな科学でエンターテインメントをランクアップさせる取り組みは、私はとても好きです。なので、ちょっと期待していたわけですが、確かにサラウンドの音響は素晴らしいものは刺激的でした。ただ、上映時間ぎりぎりまで何を観るか悩んでいたため、結局館内の隅っこの席になってしまい、その結果左耳がやられてしまいました(笑)。途中、左後ろからのスピーカーの音がうるさすぎて、セリフが聞き取れないような場面もありましたし(笑)。次にIMAXで映画を観るときはちゃんと中央付近の席を確保しようと思いました。そして、これからも科学技術が進歩していってくれることを期待します。

映画の後は、近くのレストランで軽く食事。グラスの赤ワインを2杯ほど頂き、22時には店を追い出されて、大人しく帰りました。映画の感想を言い合ったり、仕事の愚痴を言い合ったり、お互いの大学時代の話を語り合ったりしました。ですが、やはり思うのは、こうやって会社の同期とかと会って、同じ温度感で会話を楽しむためには自分も働いていないとな、ということです。どうしたって、職場の愚痴が1番盛り上がるわけですから、まずはきちんと働いていなければ。何と言うか、そんなことを感じさせられた一時でした。とは言え、東京に来るだけで疲れてしまうような私の現状では、まだ復帰は難しいのかもしれませんが。

寮に戻り、バルセロナブスケツのポジショニングがいかに素晴らしいかという動画を観ながら酔いをさまし、薬を飲んで寝ました。明日は午前中に予防接種があります。

 

3.適応障害と診断されて41日目~予防接種・ラーメン~

朝起きても、天気が曇りということもあり、なかなかの気分の滅入り様。薬の副作用も少し辛く、また同時に若干ですが適応障害の「そわそわした感じ」もあります。あぁ、こんな日に限って外に出なければいけないのか。かなり憂鬱でしたが、職場に行くわけではありませんから、何とか自分を叱咤激励してスーツに着替えます。会社の人も来るので、スーツを着た方が良いかな、と思いまして。

ちなみに、私は「週末の予定のために頑張る!」とかがあまりできないタイプの人間です。そもそも週末に予定があるタイプではありませんでしたし、「頑張ろうが頑張るまいが週末は来る」と考えてしまうダメ人間です。でも、今日ばかりは「がんばって予防接種を受けに行ったら、大学時代の行きつけのラーメン屋に行こう!」と自分であらかじめご褒美を用意してあげました。ほんの少しだけ、「頑張って外に出よう」という気持ちになりました。

通勤ラッシュよりは少し遅い時間のはずですが、さすがに東京の電車は混んでいますね。今日のコンディションの私には少しだけ辛かったです。でも、おそらくは私が無理をして職場に顔を出していたときに比べれば、だいぶ症状は軽くなっていたはずです。あの頃のキツさはこんなもんじゃなかったはずなのに、よく職場になんか行っていたな、と自分で自分が怖くなります。今は治りつつあり、冷静になった分だけ、ちょっとした刺激にも恐怖が出て来るようになりました。これはこれでまた微妙な問題ですね。「サンドリ(有吉弘行のラジオ番組)」を聴きながら、眼を瞑り、笑いを堪えつつ、病院までの道程を耐え忍びます。

初めて訪れる病院でしたが、特段道に迷うことも無く、難なく目的地に辿り着きます。検温等の簡単な手続きを済ませ、いよいよインフルエンザの予防接種。注射はそこまで苦手ではありませんが、それでもあまり良い気のするものじゃありませんよね。何よりも次から次へとやって来る患者に対してウンザリとした表情の看護士さんたちがいたたまれませんでした。ごめんなさい。私ばかり働いていなくて。込み合う病院の中で何とか予防接種を済ませ、すぐさまその場から退散。大学時代に行きつけだったラーメン屋を目指して、電車に飛び乗ります。ふう。これで今日の任務は完了だ…こんなんでいいのかなぁ、自分。

 

そのラーメンに行くのは10月25日ぶりなので、約1か月ぶりということになりますね。10月25日に行ったときは、最後にそこのラーメンを食べてから1年くらい経っていたはずです。世界で1番美味しいラーメンだと私は思っていますし、社会人になってからは中々そこに行くこともできないので、だいたい行く度に相当な感動を得ることができるのですが、その10月25日は大して感動できませんでした。美味しいはずなのに、どうして感動できないのか。おそらくは感情が死んでいるんだな。そのときはそう思っていました。そして、今日、11月24日。その時の解釈が正解であったことを再認識します。

ラーメンのスープを1口啜ります。

う、美味いっ…美味すぎる!!!

あの感動がいまここに蘇る…そんな感じでした。しかし、それにしても、あれからもう1か月も経ったのか。時間の流れはとても早いものですね。

ラーメンとライスをかきこみ、私より早くラーメンが出されていた客も追い抜いてあっという間に完食してしまいます。私は大抵のことを許してやるだけの心の広さを持っているつもりですが、回転の悪いラーメン屋ほど嫌いなものはありません。というか、ラーメン屋でちんたら食べている人が許せないのです。特に、その私が行きつけのお店に限っては、もう憎しみすら湧いてきます。ここのラーメンはそんなちんたら食うもんじゃねぇんだよ。麺が伸びる前に、スープが冷める前に、最高の状態遷移の最中の内に食べきる。これこそが何よりも重要なのです。

そんなことを考えてしまうほどに、今日食べたラーメンはいつものように私に大きな感動を与えてくれました。そのおかげでほんの少しですが、私も治って来ているんだなぁ、という実感を得ることができました。まだまだ休んでいたい今の私にとっては、嬉しいような悲しいような。でも、美味しいものが食べられるって幸せですね。

ラーメンを食べた後で、私は大学時代によく行っていた商店街の個人経営の小さな書店に行きます。そこで「化物語」の11巻を購入。「エア・ギア」の頃から大暮維人先生の絵が大好きなんですよね。よく「エロ漫画家」と揶揄されますが、もはやエロさを感じないくらい流麗で美しい絵だと思います。「DEATH NOTE」の小畑健先生とか、「ノラガミ」のあだちとか先生とか、そういう系統の綺麗な絵が好きなんですよ。最低だとは思いますが、個人的に絵で引き込まれない漫画は大抵コンビニの立ち読みで済ませてしまいます…というか、あまり漫画自体を読まなくなってしまいました。大学時代はベッドの脇に何個も漫画の山があったんですけどね。

 

寮に戻り、疲れている自覚もあったので、空気階段のコントを見ながら昼寝。日が沈んだ頃にようやく目を覚まします。

そして、夕飯を食べ、ニコニコ動画倭寇(わこう)さんの「ゼルダ献血」動画を数パート分観てダラダラと過ごしていました。「ゼルダの伝説」というタイトルをもじって「ゼルダ献血」。これだけでも結構面白いですが、実際にやっていることも面白いです。喰らったダメージ(=失ったハートの数)×100mlの献血を行うという縛りプレイをしているため、めちゃくちゃ慎重にゲームをプレイする様子や、実際に献血に行ったときの動画を作ってくれているので、そんな献血パートもとても面白いです。いつの間にか、献血通になっていく倭寇(わこう)さんの様子も楽しめますし、献血というものが身近に感じられるのも、ちょっと社会性があって良いですよね。

ちょっと倭寇(わこう)さんの紹介もしますね。

倭寇(わこう)さん自体はゲーム実況者なんですが、昔からちょっと変わった縛りプレイをやっている人で、代表作は「サイコロ・ポケモン」です。ポケモンの技選択や、技覚えや進化その他あらゆる選択を「サイコロ」で決め、クリアできるかどうかという企画です。これがめちゃくちゃ面白いのですが、初期の頃の「足・ゼルダ」とかも結構好きで、その頃からずっと見続けている唯一のゲーム実況者です。「足・ゼルダ」は64の「ゼルダの伝説時のオカリナ~」を手ではなく、足でコントローラー操作を行ってクリアをするというものですが、最初は事あるごとに操作ミスで死んでいたのが徐々に上手くなっていく様子が楽しめます。最近で面白かったのは、「お赤飯エムブレム」ですかね。「ファイヤー・エムブレム」はゲームキャラクターがレベルアップとともに能力値が上昇するのですが、その上昇量は完全に運(キャラクターごとに成長しやすかったり、しにくかったりというのもありますが、そこで試行錯誤するのも面白いです)。ですから、上手く能力値上昇した時は「おめでとう!」の意味を込めてお赤飯を炊く(炊かなければならない)という縛りプレイだったのですが、お赤飯を5合も炊かなければならなくなり絶望する様子や、お赤飯に飽きたからパン焼き機を買って、パンにして食べたりと料理のアレンジ方法を試行錯誤する様子も非常に面白かったです。

 

と、そんなこんなでようやく今回の記事を書き始めた次第です。

そして、今日はたっぷり昼寝をしたにもかかわらず、ちゃんと眠気がやって来ます。今日もまた何もしていないけれど、寝ましょう。素敵な夢が見られますように。

 

次回

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