宮本佳林のソロライブツアー<Karing>の名古屋公演に参戦してきましたので、ライブレポートなるものをさせていただきます。
※前半戦と後半戦に分かれる大作となってしまいました…
◆ 長い前置き
わーい! オイラは宮本佳林ちゃん大好き少年だよー!
宮本佳林って最高だよねー!
あれ、こんなところで宮本佳林ちゃんのソロライブやってるよ!?
僕が見なきゃ誰が見るってんだい!
さて、思い返せばモーニング娘。の「おじぎでシェイプアップ!」という舞台のときから佳林ちゃんのことは知っていたわけですが、ちゃんと佳林ちゃんのことを応援し始めたのは、Juice=Juiceでデビューすると決まった辺りからですね。もちろん、遡りでデビュー前の活動(例えば、コピンク*とか新ミニモニ。とか)も調べてはいるので、私としてはこのライブツアーは何としてでも参加したかったわけです。
仕事の関係でどうしても名古屋公演しか観に行けなかったわけですが、結果的には名古屋公演で良かったかな、と思います。色々とライブレポート的なものを読んでみましたが、どうやら最終公演である名古屋公演はクオリティも熱量もまさに最終公演に相応しいものだったようで。ダブルアンコールがあり(曲披露はなしですが、佳林ちゃんのMCがありました)、完全に公演が終了した後も、万歳三唱が起こっていたり、ここまで会場が一体となったライブを初めて体感しました。
あらゆるところでもう語られ尽くしていると思いますが、一応断っておくと、ハロープロジェクトで自身の所属するグループがありながら、並行してソロツアーを1人のメンバーがやるというのは、ハロプロ史上初めての試みです(らしいです)。佳林ちゃんばっかり特別扱いだ!という意見も出てしかるべきですが、そんなつまらない意見以上に「佳林ちゃんすげー!」という意見が大多数を占めているのが、事実として佳林ちゃんが特別なアイドルであることを物語っていますよね。事務所に金銭を渡しているだとか、事務所の偉い人の弱みを握っているだとか、そんな陰謀説が馬鹿らしく思えるくらい、「佳林ちゃんならまぁありっしょ」とつい頷いてしまいますよね。
もし鞘師里保ちゃんが今もハロプロに残っていたら、きっと同じようにソロライブをやっていたような気がしますし、そういう意味では佳林ちゃんもまぁ納得の人選と言えるのではないでしょうか。次点で小田さくらちゃんあたりならソロライブできそうです。人気や魅力で言えば、佐藤優樹ちゃんあたりもやれると思いますが、彼女がそれを望み、どちらかと言えば保守的なアップフロントという事務所がそれに賛同するかどうか…(笑)。まぁ、とにもかくにもハロプロ屈指の人気と実力を誇り、「佳林ちゃんならソロライブもいいんじゃない?」と中の人も外の人も納得させられるだけの信頼を勝ち得ているのが宮本佳林というスーパーアイドルである、ということを私は言いたいわけです。
そんなスペシャルなライブツアーの最終公演に私は参戦してきたわけですが、結論から言えば、「最高!!!!!」の一言です。
もう、本当に「この感動を共有したい!」という感じです。
弱冠10歳くらいの頃から「ハロプロの最終兵器」と呼ばれ、今もなお最終兵器であり続ける宮本佳林ちゃんの培って来たもの、そしてこれからの可能性、そのすべてがぎゅっと濃縮したライブでした。私もまぁこうしてブログを書くことを趣味としている以上、ブログに書く内容を考えながらライブ鑑賞すべきだと思いますが、しかしライブ中に私の頭の中を支配していたのは、「まじで佳林ちゃんは最高のアイドルだ!」という一文だけでした。
以下では、どんな具合に佳林ちゃんが「最高のアイドル」だったのか、ということについて、私自身の佳林ちゃんに対する考察も含めて、話していきたいと思います。
あぁ、きっとまた長くなってしまうんだろうなぁ…
◆ 前半戦 ~最高のアイドル・宮本佳林~
まずライブ開始前の「注意事項」のVTRについてですが、これがまた面白いものになっていました。ハロプロエッグからの仲間である、竹内朱莉・勝田里奈・高木紗友希と佳林ちゃんの4人が出演しており、この時点で「あぁ、このライブはいいぞ!」となりましたね。「カメラによる撮影は…」みたいな注意事項ごとに、その内容に付随するような映像を4人でふざけながら撮っているVTRでしたが、どれも4人のキャラが出ていて面白かったです。雑で大げさな「たけちゃん」、やる気なさそうにニヤニヤしてるだけの「りなぷー」、生真面目さが抜けない「さゆべえ」、絶妙に寒い「かりんちゃん」…そんな4人の個性が素晴らしい! 中でも「周りのお客様の迷惑になるような…」のセクションで、佳林ちゃんが全力でヲタ芸を披露していたのが印象的でした(なんだかんだここで1番歓声が上がっていたので、みんな佳林ちゃん大好きだな、と)。
毎回、ライブ前はこの映像で良いんじゃない?と割と本気で思いました。まぁ、4人以外のファンの人たちに対して角が立つので、実現は難しいと思いますが(笑)。
さて、いよいよ楽曲についてです。
01.私が言う前に抱きしめなきゃね(Juice=Juice)
02.大人の事情(NEXT YOU)
03.愛のダイビング(Juice=Juice)
ーMC
04.氷点下(新曲:ソロ)
05.タメライ(新曲:ソロ)
06.Only choice(演劇女子部「ミュージカル 恋するハローキティ」)
07.最高視感度(コピンク*)
08.初めてを経験中(Juice=Juice)
ーMC
ここまでを前半戦とさせていただきます。カッコの中に、どのプロジェクトで生まれた楽曲なのかわかるように書いていますが、このバリエーションを見るだけでも、佳林ちゃんが色々な活動をやって来たということがわかりますね。ちなみに衣装については、全体的に白を基調としており、可愛らしく美しく、王道中の王道アイドルとしての宮本佳林が目に焼き付きました。また、ダンサー4人を従えてのパフォーマンスでしたが、ダンスも踊るところではビシビシ踊っていて、凄いなぁ、と普通に感心してしまいました。
最初の3曲は佳林ちゃんの紹介曲と言ってもいいかもしれません。
1曲目はデビュー曲(インディーズ)である通称「わた抱き」。
サムネから佳林ちゃんドセンター!!!それにしても幼い!!!
良くも悪くも佳林ちゃんを主軸としてJuice=Juiceは結成されたとされていますが、実際に佳林ちゃんはデビュー前から新ミニモニ。に抜擢されたり、コピンク*のソロ仕事があったり、履歴書に書けることとしては頭一つ抜けていました。事務所からの信頼も厚かったことでしょう。まぁ、当時はおそらくつんく♂さんがある程度すべてのハロープロジェクトの構想を決めていたでしょうから、いくら事務所が佳林ちゃんを信頼していたとしても、つんく♂さんが首を縦に振らなかったため、結果的にはデビューも遅くなってしまいました。やっとJuice=Juiceとしてデビューが決まったときは「やっとか!」とファン全員が思ったことでしょう。
このデビューの遅れが、宮本佳林という人格形成のうえで重要な部分を担っていると私は考えています。実際、私が「佳林ちゃんすごい!好き!」となったのは、デビューが決まった時のインタビューで号泣しながら「これからやっとファンの人たちに恩返しができる」、「私たちのグループが成功することで、ハロプロ研修生が後に続けるようにしたい ※Juice=Juiceはハロプロ研修生から選ばれたメンバーで構成された」と答える姿を見たからです。これらの言葉は佳林ちゃんが苦労に苦労を重ねてようやくデビューできたという一連の流れがあったからでしょう。
心無い人は佳林ちゃんがなかなかデビューできなかったことに対して、「いや、単に実力がなかったんでしょ」とか「つんく♂さんも言ってたけど、キャラが悪かったからな」とかそういうことを言いがちです。それをあえて否定しようとは思いませんが、つんく♂さんがTwitterで「なぜ佳林ちゃんをモー娘。に入れなかったの?」と聞かれたことに対して、「だってJuice=Juiceが組めなくなるやん」と答えたのは今や一つの伝説ですね。我らが佳林ちゃんファンにとってはとても誇らしく、これだけで救われる一言です。
あれれ、ちょっと長くなってしまいましたね。とにかく、初ソロライブの1曲目を飾るのはデビュー曲の「わた抱き」でした。
アップテンポで否応なしに盛り上がるこの楽曲。クール&ビューティ&キューティ。みんな大好きなデビュー曲でまずは会場の温度をぐっと高めます…と普通のライブレポートならそう書くわけですが、上述の通り、デビュー曲としてむしろこの「わた抱き」は涙すら誘ってくるわけですね。宮本佳林にとって、デビュー曲は、「終わり」であり「始まり」なわけです。多くの輝かしい経歴を持ちながらもなかなかデビューできない苦節時代の終焉。そして、溢れる可能性を手にようやく飛び立つ瞬間。それらを感じるファンにはたまらない1曲目でした。
やれやれ、だいぶ長くなってきました。ちょっとスピードアップで2曲目に移りましょう!
2曲目は「大人の事情」。朝井リョウさん原作のテレビドラマ「武道館」の中で出て来る「NEXT YOU」というアイドルのために書き下ろされた楽曲です。まさかJuice=Juiceがテレビドラマの主演を務める日が来るなんて!と当時のハロヲタ全員が驚きましたね。ドラマの主題歌には「Next is you !」という楽曲が選ばれましたが、最初はこちらの「大人の事情」でいく予定だったらしいです。
https://youtu.be/DYiUM0Do1Ak?t=2132
そして、「大人の事情」と言えば、この菅井先生とのボイストレーニングが有名です。いわゆる「ぐにゅに!」です。伝説の「ぐにゅに!」。※URLのリンクから飛んでいただければ、「大人の事情」のところからスタートできます。にしても、菅井先生ピアノ上手!!
日本人好みしそうなマイナー調の切ないメロディラインが特徴的で、かなり普遍的な良曲です。佳林ちゃんを筆頭にJuice=Juiceの高い表現力を引き出してくれる抒情的な楽曲ですよね。色んなハロプロメンバーが自分のバースデーイベントで歌っている印象があり、結構歌いやすい楽曲でもあるのかなぁ?と思っています。
1曲目がどちらかと言えば、「まぁ、普通デビュー曲のわた抱きを持って来るだろうな」と納得できたのに対して、2曲目に「大人の事情」を持って来るのはちょっと意外と思う方もいるんじゃないでしょうか。いくら良曲とは言え、テレビドラマ用に書き下ろされて、名義も「Juice=Juice」ではなく「NEXT YOU」という架空アイドルの名義ですからね。佳林ちゃんだって、「宮本佳林」ではなく「日高愛子」です。そういう意味ではもっと活動の主流に近いところの楽曲を選ぶことの方が自然と言えるでしょうが、2曲目にあえての「大人の事情」。
佳林ちゃん自身がこの楽曲を好きということもあるのでしょうが、何よりも「宮本佳林の表現力を見せつける」ための選曲だったんじゃないかな、と私は思います。そして、普通にJuice=Juiceを応援してきた人ならやっぱり「大人の事情」は「Magic of Love」と並んで楽しみな楽曲のはずです。「Magic of Love」がJuice=Juiceの歌唱力を最大限に引き出す楽曲であるならば、「大人の事情」はJuice=Juiceの表現力を最大限に引き出す楽曲と言っても過言ではないからですね。
したがって、2曲目に「大人の事情」を持って来ることで、一気に会場を盛り上げ、それと同時に宮本佳林の表現力を見せつけるという、実に効果的な一手だったと思います。
さて、ようやく3曲目ですが、なんとここで「愛のダイビング」。個人的にはかなりびっくりしましたね。というのも、まぁ、「わた抱き」はデビュー曲だし、「大人の事情」はテレビドラマ書き下ろし曲かつ超人気曲ですから、「ライブのどこかでは演奏されるんだろうなぁ」という予想が付きました。しかし、「愛のダイビング」って…なぜ「愛のダイビング」なんだ?? 特に大きく話題をさらうようなトピックがあった記憶が私にはありませんが、しかし、楽曲の性質を考えればまぁ納得です。
「わた抱き」にも「大人の事情」にもなかったハロプロにおける重要なポイント。それは、「リズム」です。「愛のダイビング」は実はリズムがめちゃくちゃムズイ。いや、「実は」なんて付けるまでもなく、とにかくシンコペーションの嵐で、歌メロディも複雑ですし、特にドラムを聴けばこの楽曲がいかに複雑なリズムを取っているかがわかるはずです。
ハロプロと言えば16ビート。それくらい、ハロプロでアイドルをやるためには16ビートの習得が必須です。新人は下記の動画のように16ビートの半分である8ビートを歩きながら取る練習からさせられるくらい。
https://youtu.be/BDCYuqpSC8I?t=1324
※こちらも上のURLクリックで該当箇所へ飛べます。
そして、1曲目と2曲目がマイナー調のメロディの楽曲だったのに対して、「愛のダイビング」はやや明るめの楽曲です。「リズム」と「明るさ」。この2つのポイントから考えるに、佳林ちゃんがこの出だしの3曲で「自分はこんなことができて、こんな楽曲を歌ってきました」と自己紹介するための選曲と言えるでしょう。
そして、最初のMCになります。
MCの内容まではなかなか覚えていないので、ちょっと割愛させていただきます。申し訳ないです。
そして、4曲目の「氷点下」はソロの新曲です。作曲は浜田ピエール裕介さんという方で、ANGERMEの「Uraha=Lover」や「忘れてあげる※この曲大好きです」、つばきファクトリーの「I Need You ~夜の観覧車~」、モー娘。の「今すぐ飛び込む勇気」などを手掛けており、Juice=Juiceでは「ポツリと」やみんな大好き「シンクロ。」を手掛けています。近年のハロプロ楽曲には欠かせない方ですね。そして、作詞は山崎あおいさんで、言わずもがな「微炭酸」・「『ひとりで生きられそう』って、それってねぇ、褒めているの?」を手掛けている方です。
この2曲はレビューも書いているので、よろしければ読んでやってください。
さて、「氷点下」自体についてですが、楽曲としてはスマイレージの「寒いね。」とかモー娘。の「INDIGO BLUE LOVE」とかの雰囲気に近いですね。しっとりと悲しい失恋曲でした。詩の世界観としては、先に書いたANGERMEの「忘れてあげる」みたいに、「あなたのことまだ好きだけど、別れてあげるわ」的なストーリーになっていたように思います。しかし、それにしてもこの「氷点下」では佳林ちゃんの「儚さ」がとてもとても際立ちました。ぶっちゃけて言えば楽曲も詩の世界観も既存の楽曲を佳林ちゃん仕様に焼き直したような感じではありましたが、触れれば割れてしまうガラスのような佳林ちゃんのクリスタルボイスを堪能できるという意味では最高の楽曲と言えます。
2曲目の「大人の事情」も感情が込めやすく、佳林ちゃんの表現力を引き出す良曲でしたが、「ぐにゅに」の動画でも菅井先生から指摘されていたように、佳林ちゃんの本来の声の持ち味は「軽く」「薄い」「ガラスのような」という感じなのです。「大人の事情」では、やや無理やり捻りだすように「ぐにゅに」と声を出す必要があったのですが、こちらの「氷点下」はまさに佳林ちゃんの「薄氷」のような清く研ぎ澄まされた声が存分に生かされていました。音源化を強く希望します。
5曲目は、「タメライ」というこちらもソロ曲。「氷点下」とは真逆の妖艶でカッコイイ感じの楽曲です。作詞作曲は全然見えませんでした(「氷点下」は、「あおい」と「ピエール」が見えたので何とか把握できたのですが、目が悪くて漢字は全然読めませんでした)。
Juice=Juiceの「TRIANGLOOOVE」というライブツアーの中で「LOVE LIKE CRAZY」という楽曲を佳林ちゃん(with まなかん、るーちゃん)がカバーしていましたが、楽曲の雰囲気はそれに近いものがありました。もしかしたら、同ツアーの中で金澤朋子・高木紗友希・植村あかりでカバーした「メロディーズ」と足して2で割るとちょうど良い感じかもしれません。まぁ、「氷点下」と同じくオリジナリティというものは格別感じませんでしたが、決してやり過ぎでもなく、物足りなくもなく、ちょうど今の佳林ちゃんが表現しきれるラインの「カッコよさ」、「色っぽさ」が見られたのが良かったです。普通にカッコイイ楽曲だったので、こちらも早く音源化してほしいです。
この新曲2曲の良かったのは、「佳林ちゃんの良さをどう引き出すか」というところに焦点が置かれていたところですかね。後で書きますが、今回披露された7曲の新曲の中でも、特にこの2曲は「佳林ちゃんの表現力」というところにフィーチャーした楽曲となっていました。どことなくモー娘。のプラチナ期的なウェットな空気感の中で、アイドルとして、重要なことなのでもう一度言いますが、アイドルとしてどう表現するかみたいな部分をポイントとしていたように思います。つまり、佳林ちゃんが最も得意とするジャンルと言えるわけです。
過去のハロプロの楽曲を遡ればいくらでも同じような機能が期待できる楽曲を見つけることは可能だと思いますが(それくらいハロプロの楽曲は多いので…)、それでもそれらの楽曲は佳林ちゃんと特別ゆかりがあるわけでもない。ならば、新曲を作ってみればいいじゃない。とマリーアントワネット的な感覚で、ちょうど佳林ちゃんのアイドルスキルを表現するために欲しかった楽曲を作った結果がこの「氷点下」と「タメライ」の2曲だったのかな、と思います。
あ、今さら前言を撤回するようで大変恐縮ではありますが、本当にオリジナリティがないわけじゃないですよ。ちゃんと2曲とも現代的な音で作られていますし、それぞれに初めて見るような表現(それは詩でも楽曲でも)が施されていました。ただ単に、曲想というか「欲しい質感」(バースデーイベントであれば、別の過去曲で何とか代用も可能)という意味合いでは、新規性がないというだけです。あれ、フォローになっていない? でも、2曲とも好きなので、音源化されれば間違いなく買いますよ!私は!
お次は6曲目の「Only choice」です。まだハロプロの演劇は生で見たことがないんですよねー…でも、DVDを買って「恋するハローキティ」はちゃんと鑑賞済みです。ていうか、今さらながら「キティ」を演じたことがあるってすごくないですか? サッカー日本代表の柴崎選手と結婚するくらいすごいです(柴崎って良いプレイヤーですよね。技術もサッカーIQも高いですし、あとはキャプテンシーみたいなのがあれば…って、全く関係ない話をしてしまいました。すみません)。
劇中歌ということで、思いっきり感情を投げ込める楽曲で、これまた佳林ちゃんの表現力を深いところまで引き出すことができます。セリフチックな優しいメロディでは光を感じさせる歌声を、サビでは物語に入り込んで胸が張り裂けそうな切ない歌声を。
もう本当にこういうのやらせたら佳林ちゃんはめちゃくちゃ上手いんですよ。
いわゆる「乙女」とか「少女」みたいなのを演じさせれば、あのかつてのライバルであっためいめい(田村芽実ちゃん)にも負けないと私は思います。まぁ、佳林ちゃんにめいめいを超えるマリーゴールドを演じることもまたできないとは思いますが。
また、この楽曲ではダンサーの方のフリーダンスが半端なかったです。佳林ちゃんも見たいのに、ついついダンサーの方を目で追ってしまいました。バレエ的な流麗さがありながらも、激しく力強い部分もあり…という感じで、ああいうダンスは何というジャンルなんでしょう? コンテンポラリーダンスとかって言うんですかね? あいにくダンスには疎いので…
まぁ、こんな感じのダンスです。ぐるぐる回って、身体を逸らすようなやつです。すみません、文章が稚拙で。つい倒置法を使ってしまうくらい、ダンスに疎くて困っています。
が、本当にダンスは素晴らしかったですよ! 今回のツアーが映像化されることを心待ちにしていますが、どうにかしてダンスと佳林ちゃんの両方を楽しめるように、2アングルで収録しておいてほしいですね。
7曲目は「最高視感度」です。コピンク*の楽曲はみんな好きで、本当に好きでずっと聞き続けていますが、中でも最高視感度はお気に入りです。派手さは「兎tocome」には劣りますが、なんだかんだ1番普遍的で美しく情緒的な楽曲だと思います。
今ではハロプロ御用達の作詞家であらせられます児玉雨子先生が制作秘話を書いてくださっています。コピンク*について全6回分も書いてくださっているので、ぜひほかの記事も読んでみてください。
「シュモネ・エスレ」という言葉が何となく響きも含めて素敵ですよね。
あぁ、そんなことよりも佳林ちゃんがコピンク*の楽曲を歌ってくれる嬉しさたるや…「最高視感度」はこれまでもバースデーイベントやら何やらで披露されてきたと記憶していますが、やはり今回のライブでの完成度は素晴らしかったです。音源は音源で、デビュー前とは思えないほどのクオリティですが、やはりあの頃から変わっていない部分もあれば、変わっている部分もあります。例えば、昭和アイドルのような微妙なニュアンスの付け方やしゃくりあげ方は変わっていません。しかし、高音部では昔は薄いガラス(「プレパラート」という比喩が浮かびましたが、あまりにも趣に欠けるので括弧の中に閉じ込めておきます)のようなファルセットだったのが、今回のライブではややミックスボイス的な感じで強く歌えていました。ファルセットはファルセットで美しく、儚く好きだったのですが、ライブでは薄いファルセットだと聴こえないんですよね。そういう意味では、しっかりと歌ってくれていてよかったです。しっかりと歌っても決してその儚さは薄れませんし、むしろキラキラとした輝きさえ乗っかって来るのですから、やっぱり佳林ちゃんの歌声は素晴らしいです。そして、そんな佳林ちゃんの素晴らしさを引き出せるのは、なんだかんだ言ってコピンク*の楽曲だよなぁ、なんて思ってしまったり。
そして、落ちサビの「救ってよ」の「すぅく゛ってよ」と「く」が掠れる感じは音源そのままで、普段歌うことが少ないのにちゃんと音源通りにポイントを押さえてくるんですから、もう佳林ちゃんのことが堪らなく好きになってしまうわけですよね。あぁ、えがった、えがった。これが聴けただけでもチケット代のもとが取れたというもんじゃ。
8曲目は「初めてを経験中」です。過去のレビューの中で、「初めてを経験中」はJuice=Juiceの歴史の中では、まぁ、ちょっと失敗作だったかなというようなことを書いていましたが、別に「失敗作であり続けた」というわけではないんです。
発売当時はメンバーもまだ若過ぎて、若過ぎる子がぶりっ子しても、なんかパッとしないんですよね。でも、こうしてみんなちょっとずつ大人になってくると、この楽曲の可愛さが本当に引き立ちます。そして、Juice=Juiceメンバーの中でも最もこういったアイドルっぽいぶりっ子が得意なのが、何を隠そう宮本佳林大先生なわけです。もはや名人芸を通り越して、神の領域だとさえ思えます。
なんて言うか、例えばカントリーガールズ(すなわち嗣永桃子)的ぶりっ子ではないんですよ。ユーモアじゃないんです。宮本佳林のぶりっ子は、まじでただただ可愛いんですよ。面白味なんてひと欠片もなく、「うわ。まじか。可愛いかよ」と呆気に取られてしまうレベルの可愛さです。
個人的な思い入れが随分と強いことは百も承知ですが、それでもこれほど真正面から「可愛い」をユーモアなしで、単純に実践できるアイドルは宮本佳林以外にはいません。間違いなく世界で1番パフォーマンスが可愛いアイドルです。
まぁ、船木結のセルフスローモーションもそれはそれで好きなんですが…(笑)
とにもかくにも、これまで8曲を通して、宮本佳林が最高のアイドルだということが証明されたわけです。
最後にもう一度、曲順に一言ずつポイントをまとめていきます。
01.私が言う前に抱きしめなきゃね⇒宮本佳林アイドル史のはじまり
02.大人の事情⇒ぐにゅに!深い感情表現力
03.愛のダイビング⇒複雑なリズムを乗りこなし、駆ける爽快感
ーMC
04.氷点下⇒切なく儚く、薄氷のように
05.タメライ⇒大人な色気とグルーヴ
06.Only choice⇒柔らかな光、追いつめられる乙女心
07.最高視感度⇒無垢で優しい世界
08.初めてを経験中⇒アイドルの本当の可愛さ
ーMC
様々な楽曲で、様々な角度から宮本佳林というアイドルの素晴らしさを表現してくれた前半戦でした。終始、「宮本佳林は最高のアイドルだ!」と思いながら、ステージに目が釘付けになってしまっていました。私が強調したいのは、佳林ちゃんが「アイドルとして最高だ」ということです。
宮本佳林はアーティストではなく、アイドルなんだ。しかも、ただのアイドルなんかじゃない。宮本佳林のアイドルはもはや芸術である。すなわち、アイドルをアートしているのだ、宮本佳林は。
まさに、そんな感じなのです。
もっと歌が上手かったり、もっとダンスが上手かったり、もっと顔が可愛かったり、もっとスタイルが良かったり、もっとお洒落だったり。まぁ、そういう人はそれなりの数いますよ。世界は広いですから。
でも、宮本佳林というアイドルが、アイドルを表現する者として最高峰に位置しているということを、私は強く主張したいと思います。ほんとにすごかったんですよ…
さて、長くなったので、ここいらでいったん切り上げます。
2部構成になるとは思いませんでしたが、まぁ、仕方ないです。例によって書きすぎてしまうのが私の悪い癖ですね。癖は治らないから癖なんだ、と素晴らしい言葉を誰かが残してくれています。
最後に…
本当は24日のうちにレビューを書きたかったんですが、25日、26日と全国を放浪しており、また本日27日は仕事ということで、こんなにもレビューが遅くなってしまいました。きっと当日に書いていれば、もっと細かいところまで覚えていたんでしょうし、もっと多くの人が読んでくれたレビューになったとは思いますが…まぁ、それはもう仕方ないですね。
本当は今日だって、切羽詰まっている仕事のために早く寝て疲労回復に努めるべきだったのですが、そんなことよりも大事なことがあります。
私は仕事をするために生きているんじゃない!
そんな大事なことも忘れかけてしまう日々に捕らわれてしまう自分を許してはならない。
感性が鈍くなっていく、本当はそれが何よりも怖い。
一人で食べる昼食よりも、月曜の朝よりも。
バズマザーズの「恋文は下駄箱の中」という曲の一節です。
これを肝に銘じておかなければ…
頑張って、明日中に続きを書き切ろう!